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タマラのロマンス小説

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海運王の花嫁 ~サン・テロス公国物語1~夏海弘子先生コミカライズ

海運王の花嫁14

 
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「カテリーナ、僕がすまなかった」

「アレク」

「一緒に客室へ戻ろう」

 アレキサンダーが手を差し出したので、カテリーナは渋々、アレキサンダーの手を取って客室へ戻った。一国の王に恥をかかせていけないという理性がそうさせた。アレキサンダーの謝った理由がわからず、たとえ、わかったとしても不愉快な事実なんだろうと思った。


 一方、アレキサンダーはカテリーナの手を取ると、複雑な気持ちに襲われた。カテリーナは僕との結婚を拒んだ。

 カテリーナと結婚するにはどうすればいいのだろう。

 僕だけがカテリーナを愛すればいいのか?

 アレキサンダー6世のように。

 カテリーナ・・・・・・。

 ブリストル家の女性で僕が初めて妻にしようと思った女性。

 アレキサンダーはカテリーナに微笑みかけ、ランチを共にした。地中海性気候の話をし、カテリーナの気持ちを和ませるように最大限の努力をした。女性にここまで気を使うのは初めてだ。

 だけど、カテリーナを手に入れるためなら、何でもするつもりになった。

 方法を選ぶ余裕はない。

 そう決意すると、自国からカテリーナを還さないと誓った。

                 ***  

 アレキサンダーはサン・テロス公国の所有するギリシア領の島、テンペスト港にラティス家の海運王、ディミトリオス・ラティスとその娘達、クレオパトラにアフロディテ、そしてマリアが自分の出迎えに来たことを知り、悪態をついた。

 ラティス家はリバノス家の次に大きい海運業者でギリシアの港を本拠地にした大富豪だ。

 提携して事業をすることもあるが、リバノス家は一国を所有しているのに対し、ラティス家はギリシアの大富豪の一人という地位に収まっている。あいにくディミトリオス・ラティスの目的は僕自身だ。幸いパパラッチは入島禁止にしているので見当たらない。アレキサンダーはカテリーナの腰に手をまわしてディミトリオスとの臨戦態勢に入った。

 ラティス家と業務提携しているし、ディミトリオスとも親交があって、彼は自由に王宮へ来れるほどだ。ないがしろには出来ない。


「もうかなり噂になっているようだが、そちらの美しい女性を僕に紹介してくれないか?」

 五十前の威厳のある海運王ディミトリオスに値踏みされるように観察されたカテリーナはディミトリオスをしっかりと見据えた。ディミトリオス・ラティス、彼は有名な富豪でカテリーナも彼のことは新聞で知っていた。

「カテリーナ・ブリストル、僕のエンゲージメイトです」

 カテリーナは驚いてアレキサンダーをみつめた。エンゲージメイトとはギリシアで婚約者という意味ではないの?カテリーナは呆然と成り行きを見守った。

「いつのまに彼女とそんな関係になったのかな?僕の娘達を差し置いて」

「貴方は僕にとって大切な仕事相手であり、個人的にも尊敬している。だが、結婚はプライベートなことだ」

「カテリーナのことを調べさせてもらったが、ブリストル家はかつてイギリスの公爵家ではあったが、今では没落しているのではないのか?」

「ミスター・ラティス、家の状態がどうであろうと私は私です」

 カテリーナがきっぱりと断言すると、ディミトリオスは高らかに笑った。

「プリンセスの威厳がある女性だな」

「ああ、ブリストル家の女性は特殊なんだ」

「僕の娘達が彼女に劣っているとも思えないが」

「もう一人のリバノス家の人間と交渉したらどうだろうか?」

 カテリーナは昨日のヘリクレスとの会話を思い出した。アレキサンダーはこの娘達をヘリクレスに押し付けようとしているんだわ。

「アレク、ラティス家の女性達は皆、神話から出てきたように美しい女性達だけど、恋愛は自由よ。ヘリクレスの意見を尊重しないと」

 カテリーナがアレキサンダーをたしなめると、黒い髪がきれいに波打った美しい娘の一人がにっこりと笑って、カテリーナに握手を求めてきた。突然のことに少し驚いたけれど、その娘に手を差し伸べて握手を交わした。

「マリア・ラティスよ。よろしく、お姉さん」

 カテリーナは目を見開いてマリアと握手した。マリアはヘリクレスが好きなのだわ。カテリーナは他の美しい二人の娘とマリアを見比べたが、マリアだけが美しさに加え、澄んだ瞳を輝かせていた。

「カテリーナか。まあ、君が結婚相手ならデメリットもなさそうだが、僕は妻にも先立たれて我が家に男子がいない。願わくば優秀なリバノス家の血を引く孫が欲しかった」

「貴方自身の血統が優秀なのに、リバノス家の血を狙わないで下さい」

「カテリーナとの結婚は決定事項なのか?たかが、没落貴族の娘だぞ」

「カテリーナを侮辱する発言は許しませんよ」

「君がそこまで言うのなら、そういうことか」

 ディミトリオス・ラティスは肩を落として、三人の娘と自家用船に乗ってギリシア本土へ帰っていった。

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