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タマラのロマンス小説

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海運王の花嫁 ~サン・テロス公国物語1~夏海弘子先生コミカライズ

海運王の花嫁11

 
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「アマンダ、体調はどう?無理していない?」

 朝起きてすぐにアマンダに電話した。時差を忘れていたカテリーナはアマンダに謝ると、求婚のことは話さずに、昨日、アレキサンダーに聞いた話をした。

「アマンダ、リバノス家に心当たりはある?我が家とリバノス家について知っていることはない?」

「知らないわ。第二次世界大戦では多くの貴族の男性が亡くなって、その頃、唯一我が家に残った女性は家の執務をしている男性と結婚したの。それが一九四五年のことよ。身分の低い男性と結婚するから、ブリストル家は衰退の一途を辿って行ったの。と言っても、私も好きな男性としか結婚しない主義だけれど」

「・・・・・・そうだったの」

「ええ、確かこれは終戦直後の話よ。しかも、彼女の名前は私と同じアマンダというの」

 カテリーナはアマンダの愚痴を散々聞いた。特に祖母にあたる亡きアマンダの話や、亡き父であるエディーの話。エディーはとてもハンサムな父で、アマンダはエディーが大好きだったこと。

 アマンダの話を散々聞いて電話を切った。

 シャワーを浴び、バスローブを着て部屋に戻ると、朝食が乗ったワゴンを運んでいるバスローブ姿のアレキサンダーがいた。

 一国の王がワゴンを運ばないでよ、と言いたくなったが、穏やかな表情をしているアレキサンダーには言いにくい。

 二人は無言のまま朝食を食べて、何か言わないといけないと感じたカテリーナは今朝のアマンダとの会話を話した。

「アレク、やはり、母もリバノス家とブリストル家の交流を知らなかったの。母は自分と同じアマンダという名前の女性が一九四五年に結婚した事実を知っていたわ」

「何だって!」

 アレキサンダーは即座に失望した。

 書斎で見つけた手紙はヘリクレス2世とは関係なく、アレキサンダー6世が死ぬ寸前に書いた手紙だった。彼は一人の女性と結婚の約束をしたまま病気で亡くなった。

 アレキサンダー6世が愛し、結婚の約束をした女性の名はアマンダ。

 当のアマンダが一年も経たないうちに他の男性と結婚するなんてどういうことだ?

 サン・テロス公国へ戻った直後に死んだ、アレキサンダー6世。



“ここで死ぬのなら君の側で死にたかった。”


アレキサンダーはアレキサンダー6世が死ぬ前に残した手紙の一文を思い出し、心を痛めた。

 ただ、心が痛いだけではない。

 襲ってくるのは、舞い降りてくるのは、絶望という鈍く、あるいは鋭く心臓を刺すような苦しみだ。

「どうしたの?アレク」

 カテリーナはアレキサンダーの顔色が曇ったのを見逃さなかった。カテリーナがアレキサンダーの顔を見上げたときに気づいた。

 ブリストル家の女性達はイギリスの魔女だ。カテリーナはこのエーゲ海の瞳で僕を狂わせようとしている。

 きっと、アレキサンダー6世もこの瞳にやられたんだ。

“愛している”

 アレキサンダー6世がアマンダへの手紙の最後の行に書いた言葉。アレキサンダー6世はアマンダに愛されることを求めず、自分だけがアマンダを愛していたのだろうか?アマンダと結婚の約束をしたと手紙には書いていたが、それはアレキサンダー6世の勝手な思い込みだったのか?

 現にブリストル家はアレキサンダー6世の、リバノス家のことを後世に伝えていない。

 ブリストル家はリバノス家のことなど、何とも思っていなかった・・・・・・。

 心に絶望の感覚が棲み、動き始めた。
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