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タマラのロマンス小説

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 アラビアンナイトに煌めいて 20 アラビアンナイトに煌めいて 22
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アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

アラビアンナイトに煌めいて 21

 
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 久しぶりのシャリーヤホテルは観光目的というより、エステサロンを調べて初の自費エステに挑戦した。アル・ファールド国独特の香料の匂いが心地よく肌に浸透する。

 夕刻になると、ホテルの前にモニールの用意したリムジンが到着するので、少しやせた身体にドレスを身に着けたわたしは髪を下ろしてホテルのロビーのソファーに座って待っている。

 ネックレスと指輪はロンドンの自宅の店より高価なもので、身に着けているだけで緊張が走るけれど、大きな賭けをするには必要なアイテムだ。

 この一週間は美容に、アラビア語にとすることが多かったが、ラシードに会いたい一心で頑張った。

 ニュースでは報道されなかったが、本当に病気なのかしら?

 いくら調べても最近のラシードの姿が公開されていることはなく心配した。

 シャリーヤホテルに着いたリムジンにはミスター・ナジムが居て、車はラシードと過ごした宮殿とは別の方向へ進む。そこは王族の所有する離宮でラシードの父、ファドルはラシードに譲位した後、モニールと共に暮らしていると説明された。

 離宮もアラビアの風情たっぷりで解放感に溢れていた。建物の合間に中庭があり、水路が設けられている。幾つもの祈りが込められたかのような古代からの装飾模様。広間に案内されるまでに多くの人とすれ違ったけれど、誰一人、知る人も居なくて不安な気持ちになった。

 シャンデリアの光が煌めく広間の奥にはモニールが居て、金色の髪の女性と話している。彼女が振り向くと鏡をみているかのように驚いた。

「本当にそっくりなのね!」

ロフサーネも招待されているなんて思いも寄らなかった。柔らかく微笑んだロフサーネが流麗な英語でわたしに話しかけてくる。

「ミス・マーロン、あの時は切羽詰まって申し訳なかったわ。わたしはラシードと結婚したくなくて、そっくりなあなたが身代わりになってくれると勘違いしてしまったの」

「構わないわ。好きな人が居たのでしょう」

 ピンクのドレスを着たロフサーネはわたしよりかなり可愛らしい印象がある。兄、ダーギルはロフサーネが英語を話せないと決めつけていたが、そうではない。きちんと学習しているようだ。指輪を渡した時は本当に切羽詰まって、訳が分からなくなっていたのだわ。

「ええ、マイスールが好きなの。公務が忙しいラシードは婚約者なのに、仲良くすることが難しくて悩んでいたら、悩みごとを聞いてくれて。親切で穏やかな優しい人なの」

きっと、穏やかなのはロフサーネの方だわ。いい人で芯は強そうだけれど、ロフサーネにシードと張り合う気の強さは感じられない。相性が合わなかったというのが真実のようだ。

 並んで話している時、目の端にラシードが映った。

 ラシード。

 頬がこけて、やつれたみたい。

 公務が忙しいのかしら?会話を中断するとロフサーネもラシードに気付き、怯えたような表情をしている。

 わたしから、声をかけた方がいい?

 みつめているだけで精一杯、その身体に触れたいのに我慢して手が震えている。

 振り向いて、わたしに触れて。

 そして。

 ラシードがわたしの方を向いた。正確にはモニールに誕生日のお祝いの言葉を述べる予定だったのだろう。だけど、わたしと瞳が重なった。

瞬間、猛スピードでわたしに迫ってきた。

もしかして怒っているの?

無断でアル・ファールド国へ来てはいけなかったのかしら?

困惑するわたしにラシードは問いかけた。

                           
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