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タマラのロマンス小説

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 アラビアンナイトに煌めいて 18 アラビアンナイトに煌めいて 20
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アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

アラビアンナイトに煌めいて 19

 
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 ダーギル・フサームは憤怒の形相で、青の部屋の奥に居るわたしを汚いものを見るような視線を投げた後、ラシードに向かってジャンビーヤを鞘から抜いて構えた。わたしに聞かすかのように英語で話している。

「ロフサーネが戻ってきた。何度聞いても君の所へは行かなかったと答えている。失踪中の居場所は教えてくれなかったが、君が婚約破棄をしてロフサーネの偽物を愛人にしているとの情報が入った。どれだけフサーム家を侮辱するつもりだ?」

「彼女は愛人ではないし、婚約破棄は妥当だ」

「用意したのだろう、ロフサーネの偽物を。その女を抱いて俺の妹は抱けないなんて、どういう神経をしている?」

「ロフサーネは僕を嫌っている」

「好き、嫌いが関係あるのか?この度の婚姻に関しては男の子供を産んで離婚してくれても構わない、持参金さえ手に入ればと考えていた。だが、ほんの百年前までは我がフサーム家の方が族長として頂点に居た。俺が君を倒して、この国の富と権力を掌握する時期は屈辱を受けた今だ」

「ダーギル・フサーム、君と王権を巡って抗争すればこの国は内戦に突入する。歴史を百年逆行させてはならない」

「百年前と違い、今は富がある」

「国家の富は個人の享楽や権力の誇示のために使うものではない、今を懸命に生きている人やまだ見ぬ子孫の安寧のために使うものだ」

「そんなことで国は治められないだろう。絶対的な主権、主張、誇示に決まっている!」

これ以上の問答無用とばかりにダーギルはラシードをめがけてジャンビーヤで攻撃し、ラシードは自身のジャンビーヤで応戦した。お互いの右手に持ったジャンビーヤの刃が何度も重なり、刃のこすれる音がする。息を切らしながら戦う二人、愛するラシードから目が離せなかった。ラシードの方が優勢のように思えるが、わたしの思い過ごしかも知れない。

 ジャンビーヤの刃が拮抗し、刃で押し合っている。互いに一歩も譲らずこう着状態が続く。ダーギルが左手ですばやく、トーブの胸元のボタンの隙間から光るものを出した。

 小型のナイフを隠し持っていたとアラベラが察したと同時に、身体が自然とダーギルとラシードの間に滑り込んだ。

「ラシード、危ない!」

 ラシードの身体を庇うように、アラベラはラシードの胸元に飛び込み、勢いよく抱きしめた。ダーギルの小型ナイフはアラベラの右腕の外側を切り、ラシードとアラベラは転倒し、床に座り込んだ。

 振り返ると、ラシードが転倒と同時に右手のジャンビーヤを投げ、ダーギルの左の胸に刺さっていることで確認出来た。

「アラベラ、アラベラ!」

 ラシードがしきりにわたしの名前を呼んでいる。マイスールの声がして、数名のSPがダーギルの身体を拘束するために青の部屋へ入ってくる、ラシードは無事だと感じた時にアラベラの意識は切れた。

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