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タマラのロマンス小説

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 アラビアンナイトに煌めいて 14 アラビアンナイトに煌めいて 16
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アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

アラビアンナイトに煌めいて 15

 
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「ダーギル、何の用事かな?」

「シーク・ラシード、丁寧に英語で挨拶か?ロフサーネに聞かれたくない話だから英語でも構わないが。ロフサーネは毎夜、君とは結婚したくないと嘆いていた。だが、家族が行方不明になったと探せば、何故か君の元に居る。しかも、今、婚姻前の娘にふさわしくないことをしているようだ」

「それで?」

「持参金の提示額だが、あれでは足りない」

「もし、ロフサーネと結婚するのなら考えてみよう」

「結婚前に同棲している事実はフサーム家に対する侮辱に等しいだろう」

「それはない、僕の腕の中にいるのはロフサーネではないのだから」

「下手な言い訳はよせ。結婚式までに持参金は倍の金額を提示する」

 悠然と去って行くダーギルにアラベラは恐怖を覚えた。込められた憎しみが伝わり、横領した過去があるのに、結婚式の持参金を増額するように持ちかけるなんて非常識だわ。ラシードから聞いた話だけでは判断出来ないが、ダーギルはシークのラシードに対して敬意を持っていないことが理解出来る。

「アラベラ、邪魔が入ってすまない」

「いいえ、元から警戒していた人物だもの。これくらいのことは覚悟していたわ」

「君への誤解は晴れた。そして、ここでは解決しない重要な問題が残っている。まずは君を宮殿へ連れて行きたい」

「宮殿?」

「ここは仕事の拠点地で宮殿は別の場所にある。行こう」

 中庭を抜けた回廊の端には馬小屋があった。大きくて丈夫な馬に二人で乗ると、前に乗ったわたしを抱くように、緩やかなスピードで砂漠を走った。

「寒くないか?」

「いいえ、熱いくらいよ」

 胸の鼓動が伝わる。

 ラシードの胸に頭を預けると、彼に抱かれて、彼とひとつになりたいと感じた。アル・ファールド国は孤独という意味があるが、頂点に立つシーク自身が孤独である。シークという立場は常に堂々とした振る舞いを要求されている。

 傲慢で優しい彼は愛を与えられていない。

 ホテルのまばゆい光が遠のき、星の明かりが夜空にまたたいている。太古から輝く光は不変を告げるかのように砂漠にほのかな明かりを指している。

 月は銀色の鏡のように砂漠を照らし、星とのハーモニーを奏でているようだ。

 この愛に終わりがあることは知っている。

 だけど、わたしは何をためらっているのだろう。

 覚悟を決めると、心は晴れやかになり満たされた。

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