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タマラのロマンス小説

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 アラビアンナイトに煌めいて 13 アラビアンナイトに煌めいて 15
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アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

アラビアンナイトに煌めいて 14

 
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「久しぶりですね。モニール」

「ラシード!ロフサーネと素敵なダンスね。どうして英語の挨拶なの?」

 はっとした表情のモニールはまじまじとアラベラを眺めた。

「もしかして、ミス・マーロンなの?わたし、昨日お忍びで催事場へ行ったけど、あなたが居なかったからてっきり出店は諦めたのかと思っていたわ。ラシード、どうしてミス・マーロンと一緒なの?」

「偶然です。モニール、アラベラの出店をロフサーネに話しましたか?」

「ええ、ミス・マーロンはわたしとロフサーネの間ではよく話題になっているわ。双子のように似ているもの」

「そういうことですか。僕はアラベラとダンスをする約束をしているので失礼します。行こう、アラベラ」

 丁寧な挨拶をしてモニールの元を去ろうとするラシードの左手はわたしの腰に密着している。さらりと流れるような会話には痛ましいものがあったとアラベラは感じた。

 母親に世話をされず、父親は権力を掌握しているシーク、物心ついたときから帝王学を学び、立派な次期シークになるように育てられている。わたしは両親とも企業のサラリーマンをして、学校の送り迎えは仕事の合間に母親がしていた。仕事の合間は祖父、カルロに預けられて店で育ったようなものだけれど、愛情には恵まれている。

 店を継がない両親に反対していたけれど、そんなレベルの話ではない。

 スローなテンポの音楽が流れる中、ラシードは他の女性とのダンスを断り、再びわたしとダンスをする。

 神妙な面持ちのラシード、今の出来事を整理しているのね。わたしが出店したことと、ロフサーネが指輪をわたしに渡したこと、二つの事実は関連していなかった。

 ミスター・ナジムはモニールの側近で、その名前は本名ではないのだろう。店の商品が気に入ったからと自国の催事に出店要請させることは、王族とはいえ堂々と出来るものではない。国営の私物化に値するし、モニール御用達の店と宣伝されるのもいかがなものかと感じる。

 何故、ロフサーネはわたしに指輪を渡したの?

 それらしい質問をラシードがしていたから、ラシードも同じ結論を導いているはず。

「アラベラ、今は僕に集中して。デート中だろう」

「これ以上ないほどあなたに集中しているわ」

 熱が伝わる。彼の匂い、引き締まった身体、素敵すぎてめまいがする。

「そろそろ休憩しない?」

「名案だ。ホテルの中庭へ行こう」

 エレベーターで中庭へ降りると噴水を中心に緑の芝が並んでいる。夜風は蒸し暑く、ゆるやかでスパイスの匂いを含んでいる。

正方形のオフホワイトの布で出来た屋根の下には四方にベンチがあり並んで座ると、満月の夜空の元、彼が頭の上で結い上げた髪を器用な手つきでほどいた。

「髪の毛をほどくのが好きなのね」

「束ねているよりセクシーだ」

「いつもそういう風に女性を口説いているの?」

「口説かなくても向こうから寄ってくる」

「自惚れているのね」

「自惚れてなんかいない」

 そっと顎を上に向けられ唇が重なった。唇から溶けそうになる甘いキスが、わたしに降り注ぎ、陶然として彼の唇を受け入れている。

 長いキスの合間に吐息が漏れると、彼はわたしを思い切り抱きしめた。

 愛はどうして突然、自然に、舞い降りるのだろう?

 キスが再び降りてくる、瞳を閉じると彼はわたしの身体を包むように抱いて、低い声で囁いた。

「誰かがこちらへ来る。あれはダーギル・フサームだ」

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