FC2ブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。

タマラのロマンス小説

スポンサー広告

スポンサーサイト

 
 アラビアンナイトに煌めいて 11 アラビアンナイトに煌めいて 13
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



もくじ   3kaku_s_L.png   スポンサー広告
*Edit
   

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

アラビアンナイトに煌めいて 12

 
 アラビアンナイトに煌めいて 11 アラビアンナイトに煌めいて 13
***

 朝、目覚めるとベッドの横にきれいな箱が積まれてあった。

何が起こったのだろう?

顔を洗って歯を磨き、朝食を食べにリビングルームへ行くと、一分の隙もないラシードが悠然とした様子で座っていた。

「おはよう」

挨拶すると、厚切りトーストにバターを塗って食べる。昨夜のことは口にして欲しくないので、黙々と朝食を食べていると、ほほ笑みながら話しかけられた。

「ベッドの横の箱は開けたかな?」

「いいえ、勝手に開けてはいないわ」

「今夜、夜会が開かれる。君はまたロフサーネの代理で出席して貰う予定だ。見知った者が居たら報告して欲しい」

「それって・・・」

「そう、君がここへ来た理由と今の状態が判明するかも知れない。気をつけて欲しいのはダーギル・フサーム。ロフサーネの兄だ」

「どうして?」

「ダーギルはフサーム家の族長として高級官僚に任命されたが、横領の罪で解任された。処刑を命じたが、彼の一族は勢力がある。結局周囲の者に止められて解任処分になっただけだが、僕を恨んでいる」

「それなのに妹と結婚するものなの?」

「昔からの婚約者、それに加えて勢力のある家同士の結婚、兄が犯罪者だからといって中止にはならない」

「そうなのね。だけど、ロフサーネの兄でしょう?わたしがロフサーネじゃないってことに気付きそうだけど」

「君がしゃべらなければいい。元々、ロフサーネは物静かな性質で、はい、くらいしか聞いたことがない」

「もしかして、わたしがおしゃべりだから即座に別人って判断していたの?」

「いや、そうじゃない」

 声を出して思い切り笑うなんて失礼ね。笑顔が嬉しくて、ほほ笑み返してしまう。そう思うと急に神妙な顔つきになった。

「横領したダーギルが悪いと思っているだろう。そうとは言い切れない。あいつは昔からお金にだらしがなく、フサーム家の族長の立場を利用して犯罪を重ねてきた。わざと大きなお金が動く部署に就かせて横領するのを待っていた」

「陥れたの?」

「ああ、案の定、巧妙な手を使っていたが、すぐに横領は見抜けた」

「ラシード、自分を責めたらだめよ。だって、横領しなければそのまま勤められたのでしょう?」

 黙り込んだラシード。人を試したことに罪悪感があるのね。あなたは一般人ではなく、国の全てを統率するシークだもの。

 こんな時には、どんな言葉をかけていいのか分からなくなる。

「今日の君は忙しい。ネイルにメイク、カット、エステ全て予約した。担当の者がもうすぐ来る」

 にっこりと微ほほ笑み、手を伸ばし、わたしの頭を励ますように撫でながら話している。

「わたしが夜会へ出たら喜んでくれる?」

「君とダンスをするのにいい口実が出来たと思わないか?」

「それは素敵な策謀と陰謀ね」

 きっと、わたしに気を使わせたくなくて、こういう言い方しか出来ないのだわ。

 守ってあげたくなるくらい、不器用な人。

「仕方ないわね。付き合うわ」

 鈴のような音が鳴り、振り返ればカートを持った女性達が居て、ラシードはその場を去った。

関連記事



もくじ   3kaku_s_L.png   アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~
   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
  • 【アラビアンナイトに煌めいて 11】へ
  • 【アラビアンナイトに煌めいて 13】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。