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タマラのロマンス小説

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海運王の娘~サン・テロス公国物語外伝1~

海運王の娘 16

 
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                   ***

 アレクシスの実家へ行って一週間が過ぎた。仕事が忙しいからか、何の連絡もない。ほんの少し彼と出会う前の生活に戻っただけだと思うようにした。

 10日が過ぎた頃、クレオが週末にパーティーへ行こうと誘ってくれた。映画監督の映画公開記念パーティーということだが、この監督のパーティーはいつも姉と出掛けたので、今回は欠席というわけにはいかない。

 パーティーは男女ペアで誘われるものだけれど、何故か姉妹で誘われていたなあと想いを馳せる。

 婚約指輪のダイヤモンドに合う、控え目な印象の真珠色のドレスをクローゼットから出した。

 いつもわたしと話している男性達の数人はクレオとの会話を楽しんだ。婚約を祝ってくれて、変わらずダンスに誘ってくれる人もいて、これからも友達でいてくださいと話すと喜んでくれた。

 沢山の男性と会話をするけれど、大勢の人の中でアレクシスを探してしまう。

 アレクシスに会いたい。

  一日も早く結婚したい。

 涙が出てきそうになり、テラスへ出ることにした。夕日が海を赤く染め、何もかもが色あせてにじみ、それはわたしの心の色を映している。

 薔薇に囲まれた庭のベンチに腰掛けて物思いにふけると、赤毛の美女が話しかけてきた。 

 ダフネ・サマラスだわ!

 黒のドレスはエキゾチックで女優の美しさ、威厳がある。ゆっくりと立ち上がったわたしは女学校以来の口論になる予感がした。

「ミス・サマラス、どうされましたか?」

「わたしは3年間アレクシスと交際しているわ。どう誘惑してアレクシスのエンゲージメイトになったの?」

「アレクシスの方から頼まれて、エンゲージメイトになったのよ」

「嘘!あなたがエンゲージメイトになるという新聞報道の前はいつもわたしとパーティーへ出かけていたし、わたしは今も交際しているわ」

「友人としてね」

「あなたは邪魔なのよ!」

「自分の魅力がないことをわたしのせいにしないで!」

 強気の発言、女優に向かって魅力がないって大胆な発言だと感じたが、後には引けない。わたしではなく、ダフネを抱いていると考えたら腹が立つけれど、アレクシスは誰にも渡さない。

「アフロディテ、それくらいにしないと僕の友人に失礼だろう」

 振り向くとアレクシスが居て、わたしはアレクシスの腰に手をまわした。

「パーティーへ来ていたの?アレクシス」

「今着いたばかりだが」

 久しぶりに会えて嬉しい。ぎゅっと抱きしめて頬にキスすると幸せが波のように訪れる。

 はしたない、といわんばかりに、わたしをにらむダフネが発言した。

「アレクシス、わたし達は友人以上でしょう?親密な関係なのに、アフロディテには友人で通すなんて」

「今も昔も君が思う親密な関係ではない」

 アレクシスは否定し、ダフネは主張して、口論は続いている。

 どちらが正しいのかわからないけれど、アレクシスを信じたい。

 信じることは愚かなことなの?

 その時、わたしの心に5歳の頃の少女が問いかけた。

 “愛されていないと思われること、信じられていないと思われることは・・・”

 腰にまわした手をそっと離して、アレクシスの心に伝わるようにアレクシスの瞳を見つめて優しく、ほほ笑んで告白した。

「アレクシス、わたしはあなたを信じているし、愛しています。結婚式で会いましょう」

 そう告げると会場へ向かって足早に歩く。二人の姿が見えないところでは走って、自分の車に乗った。

 ああ、わたしの気持ちをアレクシスに話してしまった。愛されていると迷惑かしら?車は無意識にエステサロンへ向かっている。

 ダンデライオンはわたしの身体と心の避難場所、ゆっくりと考え事をするのにふさわしい。

 クレオには早く帰ったこと、メロディにはダンデライオンに宿泊する旨を伝えた。シャワールームで身体を洗い、バスローブを借りて、施術用のベッドに座ると夜の闇がわたしに安らぎを与えた。

 少なくとも、愛されていない、信じて貰えないという想いから解放されたわ。

 愛していること、信じていることは勇気が必要なの?

 自然に簡単に出来るようになった私がいる。

 アレクシスがどう想おうと、わたしはアレクシスを大切に想う。

 結婚式まであと二週間。

 ウエディングドレスを選んで待とう。

 バスタオルを毛布代わりに寝ると、心が満たされて眠りが舞い込んだ。

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