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タマラのロマンス小説

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海運王の娘~サン・テロス公国物語外伝1~

海運王の娘 13

 
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 ギリシャ神殿を模した白い洋館。優美なイオニア式の柱が連なり、バルコニーは緑の植物で縁どられている。ラティス家はどちらかというと近代的で現実的。こういう建物も海外数か所にあるが、プライベートで使用する場所以外はリゾート様に改築している。

 今では鉄柵に変わっているが、城壁跡があり、かつてここが戦地であったことに思いを馳せた。

 海戦の歴史があるラティス家と領地を巡って陸戦の歴史があるステファノプロス家。

 隣同士の家ではないけれど、かつて家同士の結婚が行われなかったのが不思議なくらい。

 中世の時代の肖像画だけでは結婚出来ないかも、雨の降る中、メイド達が傘をさしてわたしとアレクシスを迎えに来た。

 通された部屋に驚いた。もしかして、アレクシスと一緒の部屋なの?ベランダに面した広い居室、四柱式のベッドは家族が眠れそうな程広く、青に幾何学模様の刺繍が入った布団は艶めかしく、エキゾチックな雰囲気を醸し出している。

“アレクシス・ステファノプロスとアフロディテ・ラティスの危険な一夜”という記事から、この家の人たちはこういう結論を出したのだわ!

 心の準備が出来ていない。

「正式に婚約したのかしら?わたし達。新聞では発表したけれど」

 膝を立てて屈み、わたしを見上げた彼、悪戯っぽい瞳でわたしを見つめ、ワイシャツのポケットから、ジュエリーボックスを出して開け、大粒のダイヤモンドの指輪を握った。

「アフロディテ、僕のエンゲージメイトになってください」

 そっと左手を持ち上げてわたしの薬指にはめる。急展開に硬直したまま、うやうやしく左手の甲に口付けされると照れ臭くて、頬が赤く染まった。

「さあ、僕の両親が待っている。着替えようか」

 立ち上がって服を脱ぎだすアレクシスは、わたしをからかっている。バスルームで着替えることを告げると、笑いながらワードローブを開けてタキシードとシャツを出している。

「隣の部屋で着替えるよ」

 隣の部屋があったのね!今夜も一緒に眠るのかと想像していたわ。わたしは何を想像していたのかしら。彼は左手で軽くわたしの頭に触れると歌いながら隣の部屋の扉を開けている。

 トランクを開けて白いドレスを出す。金色のベルトがアクセントになっているドレスは控え目で清楚な雰囲気を演出している。白のハイヒールをバスルームで着替えてメイクし、髪の毛を金色のバレッタで留めると、バスルームをノックする音が聞こえて、扉を開けた。

「とてもきれいだが、髪の毛をおろした方がいい」

「嫌よ、雨で髪の毛がまとまらないじゃない」

 金のバレッタを外す彼、髪の毛はふんわりしていて、少し乱れていた。

「最高だ」
 
 そっと髪の毛を撫で、軽くわたしを抱きしめた後、わたしの手を取った。

「僕の両親は喜んでいるよ。三十二歳の僕がようやく結婚すると」

「あなたが今まで結婚しなかった方が不思議だわ」

「仕事で忙しかったから、結婚する暇なんてなかったな」

 では、どうしてわたしと結婚することにしたのだろう?プロポーズもしてくれたし、わたしと結婚する意志を明確にしている。

 リビングルームをすり抜けると、ご両親が並んでわたし達を待っていた。年齢は50代半ばだろうか?

「まあ、何て美しいお嬢様なの!わたしはディアンテ、夫のオレストよ」

「アフロディテ・ラティスです。よろしくお願いします」

「ミス・ラティス、わたし達は家族になるのよ。名前で呼んでくれる?わたし達もあなたのことをアフロディテと呼んでいいかしら」

「ええ、ありがとうございます」

 二人と握手し、歓迎モードに安堵したわたしはアレクシスにエスコートされ、彼の隣に座った。

 前菜やパンが次々に運ばれ、食後のコーヒーを飲んでいるときに、ディアンテはわたしに質問した。

「あなたは子供を産むことについてどう思っているの?わたし達の世代でも、体形が崩れるから嫌だという女性が居るわ」

「子供に関してはわたしが三姉妹なので、三人産むものだと思っていました」

「それを聞いて安心したわ。わたしも沢山子供が欲しかったけれど、アレクシスしか授からなくて」

「そうですか」

 きっと一人で愛情をたっぷりと注いで貰ったのよ。だから、わたしに優しく出来るのだわ。

「その、君のお父様はアマンダ・ブリストルと結婚する予定ですか?」

 どうしてそんな質問するのだろう?分からないので思うことを答えることにした。

「数日前、ディナーでお父様にアマンダを紹介されました。女性を紹介されたのは初めてですが、お父様は中途半端なことはしないので、紹介は結婚するという意味だと感じました」

 咎めるような視線をアレクシスがオレストに送っている。何が問題なの?説明して欲しいと言わんばかりにアレクシスをにらんだ。

「つまり、ディミトリオスはサン・テロス公国王妃の母と結婚するのか?という質問だ」

「サン・テロス公国王妃の母とは関係なくアマンダを愛しています。たとえ、アマンダが一文無しでもアマンダしか選ばないでしょう。もし、ビジネスに関連付けてというのなら、もっと昔に富豪の嫌な女をわたしの目の前に連れてきているはずです!」

 お父様が侮辱されていると感じてつい、力説してしまった。本音が出てしまったと反省する前にオレストが拍手している。

「実に素晴らしい!父親想いで名誉を重んじている。僕もこういう娘が欲しかった」

「一ヶ月後には僕の妻になります。つまりあなたの娘ですよ」

 すっと立ち上がったアレクシスは笑いながら、わたしを誘った。

「アフロディテ、踊ろう」

 メイドが音楽をかけると、アレクシスはわたしを抱きしめて踊った。

「どうやら、僕の両親は君を気に入ったようだ。僕も気に入っているよ」

「本当のことを言っただけよ!あなたも見たでしょう?お父様とアマンダの仲を!お父様をティミーって呼ぶのよ!笑わずに、怒られずに愛称が言えるのはアマンダだけだわ」

「真剣にティミーって呼んでいるし、喜んでいる」

「そうよ、鼻の下を伸ばして喜んでいるのよ。アマンダの魅力に陥落された後ね、あの様子は」

 素直じゃないから、お父様がラティス家ヘアマンダを連れてきたら、わたしは反対するふりをするかも、クレオはショックを受けるからわたしが励まさないといけない。

 もしかして、アマンダがラティス家へ嫁ぐ前にわたしが結婚するの?アレクシスは結婚式が来月だと話していた。迷いのまま、アレクシスと踊り続けると、そろそろ寝室へ戻ろうと耳元で囁かれた。

 ご両親におやすみの挨拶をして寝室へ向かう。寝室で二人きりになった時に質問した。

「結婚式が来月って、いつ決めたの?」

「なるべく早くしないと、待てないよ」

 どういう意味?

 考える間もなく、彼の唇がわたしの唇に重なる。唇から伝わる熱がわたしの全身に伝わって、鼓動が激しく波打つ。わたしの中の欲望は彼に従って、彼の舌がわたしの口に滑り込むと官能が絶え間なく訪れて喘いだ。

               

 
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