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タマラのロマンス小説

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海運王の娘~サン・テロス公国物語外伝1~

海運王の娘 10

 
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                       ***

 朝、目覚めるとベッドの上に居た。リビングルームに彼の姿はなく、彼の姿を探した自分に腹を立てた。ジーンズと青いシルクのカットソーを着て1階の食堂まで降りる。

「おはよう、アフロディテ」

 クレオは居ないけど、昨夜の再現?と疑う朝の食堂の風景。誰が用意したのか、洗いたてのデザイナーズスーツを着替えているアレクシス。お父様はいつもどおり平静を装っているが人、一人殺せそうなくらい怒っている。我が家にショットガンがなくて良かったと胸を撫で下ろした。

 アレクシスが駆け寄り、わたしの頬に羽のように軽いキスをする。わたしの手を取り、並んで座るとそこには“アレクシス・ステファノプロスとアフロディテ・ラティス婚約!エンゲージメイトに!”と書いてある新聞が置いてあった。

「お姉さま、おめでとう」

 オフホワイトのスーツを身に付けたマリアが柔らかな表情で微笑む。

まだ決まっていないと言い返したいところだけど、アレクシスが宿泊した事実は否定できない。

 偶然が重なり二夜連続、一緒に居たけれど、昨夜に至ってはソファの上で寝たのよ。

 そう、彼とはキスしただけ。だけど、この状況で誰が信じるだろう。

 オリーブオイルとバジルがかかったチーズとトースト、ヨーグルトを食べ終えたところで、お父様とマリアが立ちあがった。

「お父様、マリア、仕事に行ってらっしゃい」

 いつものようにお父様の側へ駆け寄り、頬にキスする。憂いを含んだ、寂しそうな表情をするのはどうしてだろう。心は傷んだけれど、お父様にはアマンダが居るという結論に達した。

「アレクシスも仕事でしょう?」

「ああ、行ってくるよ」

 駐車場まで並んで歩く。客用駐車場に彼のBMWの前でわたしは声をかけた。

「あの、わたしもエステサロンへ行くわ」

「エステサロン?通わなくても君はきれいだし、マリアがラティス社で働いているのに、君は家業を手伝わなくていいのか?」

 エステサロンは仕事で通っていると言えばいいのにためらった。ラティス家の仕事に関しても、マリアとわたしはお父様との繋がり方が違う。マリアは素直だけれど、わたしは素直じゃないから、自分から仕事を手伝うことを申し出にくいし、物心ついた時から働かなくていいようにカードを渡されていた。

「エステサロンで薔薇の香油を足の爪先から髪の毛の先まで塗ってマッサージして貰うの。クジャクの羽根の扇を持った美しいアシスタントが二人、わたしの両脇に居て風を仰いでいるわ。その後は薔薇の花びらが敷き詰められたお風呂とベッドで休憩するの」

 口の中に虫が入るのでは?というくらいに、ぽかんとしているアレクシスに微笑んだ。

「安心して、全部、冗談だから」

 宥めるように彼の頬へキスをすると、何故かはっとされて身をひるがえされた。

「アフロディテ、そのエステサロンは車で行くのか?」

「ええ、そうよ」

 深紅のポルシェを指すと彼は車の鍵を預かり、運転席を開けてくれた。

「週末に僕の実家へ行こう。君を両親に紹介するよ。朝、ここへ迎えに来る。」

「了解したわ」

 どんなご両親だろう?緊張するわ。新聞に婚約したことが載ってしまったから、もう取り消せない。笑顔で車を発進させると、頬へのキスは迷惑だったのかと悩みだす。

 アレクシスの車がわたしの車と反対方向へ向かった。ステファノプロス社とは逆の方向だ。会社へ行く前に用事があるのかしら?

 まだ、謎めいている。

 ダンデライオンへ着くと、鏡の前でいつものように髪の毛を三つあみにする。心が落ち着くと、いつものように仕事に専念した。

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