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タマラのロマンス小説

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CEOと夢の家  ~シリーズ3~

CEOと夢の家 11

 
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「何をするの!クライブ」

「僕の会社に君を連れて行って君の手当てをする」

 クライブはサマンサを抱いたまま、走ってエレベーターに飛び乗った。会社の人間が皆、好奇心一杯で、二人を見ている。

「恥ずかしいわ」

「君を歩かせると、怪我を悪化させるだけだ。君を守ることが第一優先事項だよ」

「クライブ・・」

「サム、大丈夫なのか?僕が君を追い詰めたのがまずかった」

 サマンサはクライブの背中に手をまわして、クライブを抱きしめた。クライブの優しさにただ泣きたくなる。足の先はずきずきと痛むけれど、それよりもクライブの男らしい匂いや温かい身体が気になる。


 クライブがサマンサを抱き上げたまま、マーシャル不動産コーポレーションのビルに入り、エレベーターの中で二人きりになると、クライブはサマンサを抱きしめる手に力を込めた。

「僕のせいで君に怪我をさせた。僕は自分を許せないよ」

 サマンサの胸の鼓動は激しく高鳴った。私の怪我はクライブのせいではないのに、クライブは自分のせいだと思っている。

 どうしていいのかわからないまま、クライブの顔を見上げて思いついたように、クライブの鼻の頭に自分の鼻を三回くっつけた。

「サム・・」

「マオリ族の挨拶よ。貴方は悪くないって言いたかったの。あれは私の過失だわ」

 クライブが戸惑った表情を見せるので、サマンサはマオリ族の鼻をくっつける方法が微妙に違うのだと判断した。

 だけど、教えてなんて言えない。

 クライブがサマンサを抱きかかえたまま社長室に入ると、そこには不思議なマオリ族のグッズで満ち溢れていた。

 マオリ族のものと思われる、木の生命感溢れる人の形をした彫刻に、木の掛け時計。額にはサマンサが貰ったペンダントの仲間のようなものが飾ってある。部屋の脇にはカヌーの小さいレプリカやこん棒があり、室内はマオリ族グッズ一式で占められていた。

 クライブがサマンサをデスクの上に座らせると、クライブはサマンサの右足のハイヒールを脱がせた。

「親指の爪が割れている」

 クライブがデスクの奥の救急箱を取った後、サマンサの前へ屈み、先のとがったはさみで器用にストッキングを切り、爪に軟膏を塗ってガーゼを当てて包帯を巻くと、羊の皮のスリッパを出した。

「骨が折れていてはいけない。病院へ行こう」

 サマンサはデスクを降りて、スリッパをはいてゆっくりと歩いた。

「大丈夫よ。骨が折れていては歩けないはずだわ」

 サマンサは足が痛いと思いながら、クライブに心配されて、迷惑をかけたくない気持ちと、好奇心で壁際に並んでいるマオリ族グッズを順番に眺めた。クライブがマオリ族の民族衣裳を着て、鳥の羽根のケープを女性の肩にかけて仲良く鼻を合わせ、ホンギの挨拶をしている写真が壁に飾ってあるのを見てむっとした。

「この写真は何?」

「それは結婚式の写真だよ。コロワイセレモニーといって、男性が女性に愛と尊敬の意味を表してケープをかけるんだ」

「貴方は結婚していたのね」

「それは父だ。僕と父はよく似ているんだ」

 よく見ると確かに古い写真で、サマンサは自分の嫉妬が恥ずかしかった。サマンサはそれをなかったことにして、額に飾ってあるペンダントを一つ一つ観察した。

 額の中にらせん状にねじってあるグリーンストーンのペンダントを眺めたサマンサは、その美しさのあまりにうっとりとペンダントを眺めた。

「このペンダントはとてもきれいね。ネットショッピングで売っているのかしら」

「そのペンダントはインフィニティー・ループスと言って、本来は結婚した夫婦がお互いの首にかけるものだよ」

 クライブが微笑むと、サマンサは息が詰まった。サマンサは具体的に自分の肩にケープを、首にはインフィニティー・ループスをクライブにかけてもらう姿を想像してしまった。

 私、とんでもない夢を見ているわ。

 男性に最終的に選ばれたことなど、一度もないくせに。
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