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タマラのロマンス小説

心が癒される、タマラのオリジナル、創作、ハッピーエンドロマンス小説。ハーレクイン小説を愛読するタマラがロマンスを追求し、恋愛小説を発表しているサイトです。{R-18}18歳未満の方のご利用は固くお断り致します。*この作品はフィクションです。登場する企業・団体名は実在するものと一切関係ありません。著作権は全て作者に帰属します。

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愛のはざまにコミカライズ化

タマラのロマンス小説コミカライズについて

読者様、お久しぶりですっ!
執筆、お休みしていて申し訳ございません。
ここ数年、就職して某会社の社員になっています。
忙しい中、自分って作家だったっけ・・・、
なんて、思いながらも日々の業務をがんばっていました。

そんな中、2018年1月ハーモニィ本誌に、
「愛のはざまに」が「恋と愛のはざまで」と改題、
桃川春日子先生に描いていただきました!!!

ありがとうございました!!!
感謝しています。

「恋と愛のはざまで」は、
ヒーローとライバルイケメンと、
イケメンが二人!登場という特別仕様?になっています。

読んで、セクシーすぎて驚きました。
どうしよう、ヤバイっ、原作者セクシーさ0%ですからねっ!
200%セクシーな仕上がり、鼻血でる奴やんっ・・・。

イケメン二人から、愛の告白があります。
妄想の中でしか?イケメン二人から愛の告白ってないですよねっ!
もし、読者様でそんなことがあった方は即効連絡してくださいっ、
ネタにしちゃいますね。

「恋と愛のはざまに」
実は、チャールズというライバルイケメンの方が好きなの。
ダークな感じがいいなあと。

チャールズが本当にマーガレットのことを愛していたのか?
読んで、賛否両論あると思います。

それがツボなの!
物語は読者様の想像する余地、
空白みたいな部分が必要で、
いいところに空白あるなあと。

二イケメン堪能しました。
視力UPしそうです。

今回はコミカライズされますよの連絡なく、
そういえば、宙出版様に夏の頃、
「いいですよ!いつでもコミカライズして。
タマラのロマンス小説のブログ読んで、
この作品コミカライズしたいという漫画家様いらっしゃれば、
嬉しいですっ!どんどんお願いしますっ!」
というようなこと、言ってました。
宙出版様に対して、いつでもOKしています。
いつもありがとうございます。
宙出版様、今回で11作品、11回目のコミカライズ
感謝しています。

いつもコミカライズはうれしいものです。
新しい発見の連続ですね。

小説と違い、起伏が小出しに都度あるのが漫画の構成だから、
疑問を後の方に、まとめて開示というわけにはいかない。
開示が割と後の方なのかな?自作品の構成は、と思うので、
漫画にする際は自由に開示してください。

そういえば、漫画家様の想像、
発想の邪魔しちゃいけない、
コミカライズは小説のパラレルワールドなので、
思い切り描いていただけると沢山の発想が私から生まれます。

ヒーローと、
ライバルイケメン、
ヒロインの濃密な感情、
幼子ニコを巡って、
色々ありました。

2018年、ハーモニィ1月号を読んでいただけると嬉しいです。
読者様に感謝の気持ちを込めて。

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「真夏の夢」がコミカライズしました!

タマラのロマンス小説コミカライズについて

ハーモニィROSE 8月1日発売の「真夏の夢」が「真夏の夢を永遠に」と改題での発売ですっ!
先生は七里慧先生で、いろんなジャンルで幅広く活躍されている先生ですっ!
耽美だと思います。
今回驚くべきことに、
2か月前になるかならないかくらいで、このお話があり、
あっという間に七里慧先生が描き終え、
「徹夜したのかな???」と思い、
物凄く、有難く申し訳ない気持ちになりました。
とても感謝しています。
今まで色々な方に一所懸命描いて頂いて、
嬉しいです。
発売日が待ち遠しいです。


自分がセクシー系とは無縁なキャラなのに、
ハーモニィロマンスの2度目のセクシー系参戦?ですっ!
楽しみです。

感想です。
ヒーローがタマラ好みの
ポール・マッカート似でした!!!
これは絶対、友達が読む前に忠告せねば!と思いました。
パトリックはタマラの脳内彼氏の一人だから狙っては駄目よっ!て。
いきなり読んでもらうと前回のジャイルズも友達が目をつける事態に発展したから、
要注意なのです。

場面ごとにハグの感じが細やかで素敵でした!
ハグは毎回違っていて、二人の心の距離を現しているようです。
さらに、あ、あの噂の壁ドン!というのもあった。
皆様もぜひ、場面、場面で萌えて欲しいと思います。


「ヴィーのロマンス占い」が「CEOに捧げる恋占い」として掲載します。

タマラのロマンス小説コミカライズについて

2015年ハーモニィ8月号に登場、
原田万木子先生の漫画です。



また読んでから続きを書きます。
今回のヒーローはキャラ濃いですから、
どんな感じになっているのか楽しみです。

感想はですね・・。
またしても友達がヒーローがページをめくるたびに
優しい表情になっていると、うっとりして、タマラ放置の状態に。
ううっ!
友達に報告すると、気持ちがヒーローにいきますね。

あと、漫画原作は毎回楽しみで、ものすごく嬉しくて幸せなのですが、
小説そのものが書籍になることと、小説でつつましく生活できることが出来たらなあと思います。
毎月25日くらい仕事をしていて今の仕事には感謝している中、
小説を書くことについての生き方、心の準備、受け取る準備も必要で、それはほぼ完了しています。
どうぞ、よろしくお願い致します。
(冷静に考えたらもうコミカライズ8作目だなあと)

フォーマルハウトの告白 再掲載です!

タマラのロマンス小説コミカライズについて

ハーモニィ 夏よしみ先生のセレクションに
「フォーマルハウトの告白」が再掲載


ハーモニィRomance 夏よしみセレクションハーモニィRomance 夏よしみセレクション
(2015/04/11)
夏 よしみ

商品詳細を見る


ページの真ん中の方に「フォーマルハウトの告白」が掲載されています。
私の手元にも本が届いて読みましたが、
元気なヒロインが可愛い絵で、どれも素敵でした。

コミックスが既に発売され、電子書籍にもあるので、
雑誌もいいですが、保存されたい方はコミックスもよろしくお願い致します。

これだけ沢山の物語を一気に、お得感がありました!
完全に読者モードで、頂いたその日に全部読みました。

夏よしみ先生に描いて頂き、嬉しかったです。
また、よろしくお願い致します。



海外電子書籍化 決定しました!

お知らせ

 いつもご愛読ありがとうございます。
 月4日しか休めない多忙な日々の中、書く意志あれど、
筆?(キーボード)進まずご迷惑をおかけしています。

 そんな中、「フォーマルハウトの告白」と「海運王の花嫁」が
海外電子書籍として英訳、韓国で発売されることになりました。

I AM 海外進出???
海外進出の英語が分からない痛いタマラですが、
めでたいのではないかと。

「フォーマルハウトの告白」は日本でも電子書籍になります。
人気あるとのことで嬉しい限りです。

タマラのコミカライズは皆様の宙出版様へ提出するレター?
で、多分、決まるので投票お願いいたします。
(バクマン?にそう書いてあった。え、違うの?)
日本でロマンス小説書くのは認められること自体、
難しいので、大変なのです。

これで食べていけたら幸せ倍増ですが、現段階では・・・なので
今は姉の会社で別分野の文章を書いて、多分、練習にはなっているかと。
(怒涛の文章書き込みを想像してくださいっ!)

えっ、得意先のメールに
「アルプスの少女に出ていたような
チーズケーキを送って頂き、ありがとうございました。」
って書くんじゃねえって。
年齢ばれるからだめって、楕円形のチーズケーキ見たら
それしか思い浮かばないようっ!

土曜日はデイサービスで働いて趣味の利用者様を愛でています。

沢山書きたいのに時間がないのが悩みです。
このままムアト君に世帯主になってもらうしかないかも。

タマラ・タバサ海外進出で需要が増えた!という設定にしています。

いつもありがとうございます。
fc2様へのご応募もありがとうございました。
ファンメール2通をfc2様に教えていただき嬉しかったです。

読者様へ愛を込めて




タマラのお願いっ!

お知らせ

いつも、タマラのロマンス小説をご愛読して頂いてありがとうございます。
今日は折り入ってお願いがあります。

実は初コミカライズからずっと、fc2様のメールフォームに申請し、
毎回コミカライズの応援を快諾して頂きました。
fc2様、いつもありがとうございます。

そんなfc2様から
「タマラさん、読者プレゼントしますか?」との声をかけて頂き、
以下のURLで3名の方にタマラのコミックスをプレゼントしています。
http://fc2information.blog.fc2.com/blog-entry-1549.html

初、プレゼントです。
思い起こせば、I社の件(I社作家投票企画が数年前にあった)では
500名以上の読者様に応援頂きました。

I社に登録しないと投票できないのに、
登録して投票して頂いたこと、
とても感謝しています。

と、いうことで、郵便局のワンコインで送れるパックを使って
fc2様に3冊送りましたので、
(3冊というMY経済力を許してっ!)
ぜひ、応募をお願いしますっ!

特にI社の時の500名様っ!!!
こーゆう時にしかお返し出来ないので、
応募してほしいです。

また、fc2様からOK出れば、雑誌のほうは無理ですが、
コミックス時は3冊プレゼントしようかと思っています。
いつも応援ありがとうございます。
感謝の気持ちを込めて。

タマラ・タバサより。

「傲慢シークに恋をして」オフィスロマンスアンソロジー

タマラのロマンス小説コミカライズについて

宙出版様より、傲慢社長に恋をしてが2月10日に発売、
麻生歩先生による、「CEOにプロポーズ」が掲載されています。
オフィスロマンスアンソロジー 傲慢社長に恋をして (エメラルドコミックス ハーモニィコミックス)オフィスロマンスアンソロジー 傲慢社長に恋をして (エメラルドコミックス ハーモニィコミックス)
(2015/02/10)
麻生歩、夏見咲帆 他

商品詳細を見る


ハーモニィCEO特集の巻頭カラー掲載作品がコミックスになりました。
今回はアンソロジーシリーズとして、他の漫画家様とも掲載、
えーっと、ダイヤのようなピンクのハーモニィコミックスのロゴの下に
タマラ・タバサってひっそり書いています!
え、手書きじゃないですよっ!てこんなボケいらない?

「CEOにプロポーズ」
この漫画のヒーローはイケメンすぎて毎日読んでいます。
麻生歩先生の描くヒロインは可愛く、美しく、優しい印象です。
(麻生歩先生自身がヒロインに似ているのです。
サインが家にありますっ!)

毎回読むと、先生っ、このヒーローを私にくださいっ!という気分に!
そして妄想がMAXになり、ある日とうとう夫に
「このヒーロー実在したらストーカーになるから、離婚よっ!」
と告げたのですが、
「このイケメンに俺のほうが好かれる自信があるっ!タマラには絶対負けません!」
と妄想返事あり、
え、それって私の管轄外!?・・・もしかして、あ、深く考えてはいけないかも、
ん、じゃあ、一緒に渡英しようかと再妄想の日々を送っています。
(これで1作品書けるレベルに)
時折、ヒーローと同レベルのイケメンも登場する麻生歩先生の漫画を読み、
ヒーローはヒロインのものだから、サブキャラくれないかなあと萌えています。
争奪戦の模様です。

***

そして、1月に発売された
ハーモニィ3月号「愛しき孤高のシーク」
ハーモニィ Romance (ロマンス) 2015年 03月号 [雑誌]ハーモニィ Romance (ロマンス) 2015年 03月号 [雑誌]
(2015/01/21)
不明

商品詳細を見る


高木裕里先生により、
「アラビアンナイトに煌いて」が「愛しき孤高のシーク」に改題。
驚きました!
原作と一緒に読むのがオススメです。
ストーリーの伏線がしっかりと絵になり、
私が最後の方に開示した物語のシークレット部分は
文章を絵にする構成上、どうしても序盤の開示でした。
しかし、序盤に開示しながらも、漫画は最後まで緊張感がありました。
構成完成度の高い作品だと感じました。

**

最近、多忙すぎて書きたいのに書けない日々です。
ですが、コミックスも3冊になり、
雑誌掲載も7作品になったので、ブログにまとめようと思ってはいるのですが、
いつになるやらメドが経ちません。

毎回、描いて頂いている先生方に感謝しています。
新しい発見や驚きがそこにあるからです。

私のポリシーもまた折に触れて書きたいのですが、
私は自作品に対して、漫画はパラレルワールドだと思っているので、
漫画家様には自由に作品を表現して欲しいのです。
ページ数に合わせてストーリーや魅せる場面を表現する。
漫画家様はアーティストだと思っているので、
その創意を邪魔したくないというのが本音です。

それがどうかと判断するのは読者様であり、
私のすることではありません。


毎回、楽しみにしているので、全ての作品がいつかコミックになると思い、頑張ります。
どんな漫画家様に描いて頂けるのか、
素敵な出会いと驚きを期待しています。

タマラ・タバサ

「愛しき孤高のシーク」ハーモニィ3月号掲載

お知らせ

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

去年は多忙を極め、今年も多忙っぽく、
ネタが数点、書きたいこと沢山!あるのですが、
中々、思うようにいかず、ご迷惑をおかけしています。

頭を振るとネタ沢山、ううっ、忙しくて進めない・・・、
困っています。

そんな中、高木裕理先生の作画の実力で、
巨匠、バーバラ・カートランドさんと同じ太さの文字で
タマラ・タバサ!有難いっ!
「アラビアンナイトに煌めいて」が「愛しき孤高のシーク」として掲載されています。


ハーモニィ Romance (ロマンス) 2015年 03月号 [雑誌]ハーモニィ Romance (ロマンス) 2015年 03月号 [雑誌]
(2015/01/21)
不明

商品詳細を見る


偽りのマリアージュ特集!
確かにアラベラは間違えられてですね~!
以下は「愛しき孤高のシーク」ハーモニィ3月号を読んでください。

高木裕理先生の臨場感溢れる絵に、引き込まれるはず!と期待大の作品です。
(おそらく、いや、確実に原作よりヒロイン可愛い感じです。
読む前から分かる、高木裕理先生の絵を見た瞬間感じました!
高木裕理先生、描いて頂いて有難うございます)
発売日が待ち遠しいです。

よろしくお願いいたします。

愛しき孤高のシーク発売延期です!

お知らせ

おわびと訂正
高木 裕里先生の「愛しき孤高のシーク」ですが、
1月21日発売です。
変更があったようで、おわびします。

私自身すごく楽しみにしていたので、楽しみがお預けになったので、
残念です。

しかし、次月発売なので、楽しみも延期ということです。
予告をみましたが、ものすごく可憐な感じで、とても期待しています。
高木裕里先生の臨場感のある、ヒーロー、ヒロインの表情と
ストーリー展開!!!

どこがどう表現されているのか、楽しみに待っています。

1月21日のハーモニィまでお待ちください。

(え、私が一番待てないって!そうだと思います!!
ああ、気になりますね!)

「アラビアンナイトに煌めいて」が改題、高木裕里先生作画でコミカライズ

タマラのロマンス小説コミカライズについて

 ハーモニィ2月号、12月20日発売にて
高木裕里先生作画でコミカライズします。

「アラビアンナイトに煌めいて」改題、「愛しき孤高のシーク」となります。

改題して「シーク」がつく題名がいいとのことで、
今回は宙出版様から「愛しき孤高のシーク」という題名を頂き、
おおお!!!と、感激しました!

耽美な印象です。
題名だけに2日悩むこともあるので、
こんなに美しい題名になると、
わたしの題名センスってあんまり良くないなと思っていたのです。
10作に9作は題名、後で考えています。

どんぴしゃが少ない故、勉強になりました。

発売楽しみにしています。
感想は読んでまた追記します。

(しかし、7作中、海運王以外は作家さんが違うので、
一層全漫画家様制覇すべきか考えます)

高木裕里先生の漫画、嬉しいです。
タマラタバサ作品を選んで描いて頂いてありがとうございました。
感謝の気持ちを込めて

タマラ・タバサ

NYより宇宙の空へ 3

NYより宇宙の空へ

 NYの朝はいつもより忙しく、人も集まっている。

 アベェリーは赤いドレスと赤いマニキュア、赤い口紅、赤いコート、ハイヒールも赤、唯一、ブラウンの髪は止めずにあるがままにしている。

 制御出来ないものを抑えてどうする?

 あんなことは、ジェームズでも許されないはず。

 正確にはどういうことか説明が要るはずよ!

ハイヒールは激しい足音を立てて、J&RグループNY支店の大理石の床を通る。

警備員が誰一人、止めないところを見ると、やっぱり。

いや、それはジェームズに直接問いたださないといけない。

エレベーターの最上階のボタンを押して、一番奥の部屋に入ると、NYの景色が一面に観える広大な窓の前にジェームズは居た。

「やあ、アベェリー!」

 腹立たしいほど呑気なのね。わたしはいきなり確信を突いた。

「ジェームズ!UFOは雑費では落ちないわよ!」

「何のことかな?」

「とぼけないで!昨日の夜、NYの空に大きなUFOを飛ばしたでしょう!」

「僕がUFOを?」

「ええ、そうよ!あのUFOは煙で夜空にLOVEって書いたのよ!」

 ジェームズ、お願い、そうだと言って!あの夜のUFOの会話を思い出すと、そうとしか思えないじゃない。

「地球人への友好のメッセージだね。アベェリー、宇宙人は正体を明かさないものだ。あれが僕なのか、宇宙人なのかは君の想像に任せるけれど、確かなことがある」

「確かなこと?」

「僕の気持ちを代弁してくれたってこと。アベェリー、僕が君にプロポーズしたら受けてくれる?もちろん、イエスしか受け付けないよ」

「ジェームズ!」

 昨夜のUFOは結局どっちなの?

 駆け寄ってきたジェームズをわたしは抱きしめて、イエスと返事をした。

「初めて君を観たときに、君だと決めたんだ。愛している僕のアベェリー!」

「わたしもよ、ジェームズ、初めてであったときから」

わたしたちは出会い、交信し、時に見つめ合い、交わる。その交信や触れ合いをどうして拒むのだろう。どうして折り合えないのだろう。少なくともアベェリーの宇宙はジェームズの宇宙と出会い、重なり、広がって行った。

           ・・END・・

初!USA。初SF作品です。思いついちゃいました! BYタマラ・タバサ
*注SFってこんな感じか良く分からないけれど、ま、いいかな?

NYより宇宙の空へ 2

NYより宇宙の空へ

専門書の詰まった本棚を目にすると、現実がどっと押し寄せる。

街を歩くと晩秋の青空はNYのビルの隙間から高く伸び、彼方にあるようだ。

2ブロック先にある自分に事務所まで颯爽と歩けば、更に日常へ戻る。

ジェームズが側に居ないと、事務所の建物付近の川辺の景色も色あせてしまう。

デスクに座り、仕事と格闘していると、あの夜、ジェームズと共に過ごせば良かったのかと後悔する。

 今まで幾度とチャンスはあった。その度にわたしがジェームズを拒むことは、無駄な抵抗であることくらい分かっている。

 ガールフレンドの一人になりたいのではなくて、ずっとジェームズと愛し合いたいのよ。膨大な恋人リストのAの欄に自分が載っていても嬉しくはない。

 疑っているのね、ジェームズを。

 あれから3日経つけれども、電話一つ来ない。

 1週間も過ぎた頃には、わたしに飽きたのかも知れないと悲しくなってきた。微笑み一つで、どんな女性もジェームズにときめくもの、取り立てて美しくない生真面目で勤勉な性質だけが特技のわたしをジェームズが選んでくれると思う?

 扱えるのは数字、扱えないのは髪の毛、ジェームズは・・・。

 同じことを悩み続けて13日が過ぎた。明日、ジェームズと会う約束をしたはずなのに、連絡は来なくて、気がつけば鳴らない電話を見つめている。

 心の声が囁く。

 ”電話するのよ、ジェームズに“

 手を伸ばしても届かないのは電話だけではない。

 ”明日の予定はどうなったの?“

その一言が怖くて聞けないなんて・・・。

 電話は鳴らず、わたしは振られてしまった。夜の街を歩きながら、そのことばかりを考えた。

 光が降り注ぐ夜でも明るいこの街では、夜空の方が窓の中にあるような空間で、多くの人、多くの人種が歩いている。

 多くの人がひしめき合う程、独りだと感じてしまうのはどうして?

 ジェームズが居ないと、独りも同然でしょう。

 ふいにジェームズの別れ際の言葉を思い出して夜空を見上げた。

            

NYより宇宙の空へ 1

NYより宇宙の空へ



 ニューヨークの夜はまばゆい光で彩られ、赤、青、黄、白のネオンが四角や流線型の模様を描いている。

 窓の外の光の洪水よりも、アベェリー・ロジャーズの琥珀色の瞳は、目の前に居る彼、ジェームズ・リードに向けられていた。

 ホテル最上階のレストランのディナー後の気取ったチーズケーキよりも、ジェームズを見つめているなんて、どうかしている。

冷静になるのよ、アベェリー。“賢明な”という意味から名付けられた自分の名前を忘れたの?

 黒い髪に黒い瞳、190センチの身長にがっしりとした体形のジェームズは、J&Rグループを経営しているNYの一流ホテルやクルーズのオーナーだ。このNYだけではない、彼の一族は世界各地の観光事業で成果を出している。

 ここが一流ホテルのVIPルームで、しかも二人きりで、NYの夜景が魅惑的でも、ビジネスディナーである事実を忘れてはいけない。

 しっかりするのよ、アベェリー、現実を思い出してみて、J&RグループのNY支店の公認会計士になってから個人の小さな会計事務所がどれだけ大きくなったのかを。

 いくら勉強しても世界的なセレブであるジェームズとわたしの世界は違うはず。

 「・・・UFOがって聞いている?アベェリー」

 UFOですって!聞いていなかったわ。経済の話からUFOに話が飛ぶなんて、想像できないじゃない。

はっとした瞬間、頭を上げると、バレッタで頭頂部に留めたブラウンの髪の毛が一筋、はみ出してしまい、慌てて髪の毛をかきあげながらジェームズに返事をした。

「気を悪くしたらごめんなさい。わたし、UFOとか宇宙人というものを信じていないの」

 厳格な両親に育てられたことで、UFOや未確認生物などは一切、自分の人生とは関係してないことを教えられた。物心がついた時にはサンタクロースの正体を話されたこともある。

 いい両親だが、そういう夢がなさすぎる面は感心しない。

「ジェームズはUFOを信じているの?宇宙人が居るとでも?」

「居たらいいなとは思っているよ」

「夢があるのね」

「いや、極めて現実的だよ。考えてごらん。宇宙人が地球を侵略すると人類が判断したら、人類は戦争を止めるよ」

「地球人対宇宙人の規模で戦争を考えるということ?」

「ああ、この世界の戦争は無くなり、宇宙人との応戦を考える。実際、居なくてもいい。確実に居ると思わせればそれでいいんだ」

「だめよ。それでは宇宙人を介さないと、人類が仲良くなれないみたい。宇宙人が居なくても、宇宙戦争がなくても、人類は皆、仲良く共存しなくては!」

「・・・優しいね、アベェリーは」

 違うの、宇宙人は居ないと決めつけているの。未知なものが怖くて仕方がない。もし宇宙人が存在したら地球を侵略するのかしら?

 27年間生きてきたけれど、今まで一度も目の前に現れなかったじゃない。そもそも顔をみたら侵略されると思われている事実を宇宙人に知られると、宇宙人の方から地球人と友達になるのはお断りだと宣言されるわ。

「それより、ジェームズ。あなたの会社は雑費が多すぎるわ。認められるものとそうでないものを区別しないと!」

「アベェリー、今は仕事の話はしないでプライベートの時間を楽しもう」

「・・・そうね、ごめんなさい」

 ため息をついたジェームズ。気がつけばいつも仕事の話に戻るから、退屈してしまうのね。

 本当は仕事以外の話をしたい。例えばそう、二人の未来の話とか。

 駄目よ、そんなことを願っては、そもそも二人の未来なんてありえない。

 首を横に振った瞬間、留めていた髪の毛がまた、一筋、滑り落ちた。

 貧しい、といわないまでも勤勉で真面目で厳格な両親から産まれ育ち、質素な生活をしてきた、わたし、アベェリーと先祖代々、Jのつく名前で統一された富豪のジェームズでは釣り合わない。

 出会う度にわたしを誘うジェームズだけれど、それが真剣なのかひとときの遊びなのかがわからない。

 思い通りにならないのはわたしのブラウンの髪の毛だけでいい。

「アベェリー、難しい顔をしているね」

「気にしないで」

「そろそろ帰ろうか」

 本当は帰りたくない、ジェームズと一緒に居たいのに・・・。

 ホテルの玄関へ降りると、リムジンがジェームズとわたしを迎えに来てくれた。後部座席のドアを開けてくれたリムジンの運転手に聞いてみたいこと。

 ジェームズに恋人は何人居るの?

 隣に座るジェームズの温かい身体とムスクのような匂い。初めて会ったのは背伸びをして出かけたセレブ達が集まるパーティーだった。

 あれから3ケ月が経つ。
 
 一目見て、この人だと感じた。その場で意気投合したけれど、わたしは自分の気持ちへの即答を避けた。

 今まで付き合った恋人は2人居たけど、恋愛と結婚は別のようで、わたしは2回の失恋でかなり傷ついた。

 恋愛はひとときの情熱だけで結婚には発展しない。

 もう、恋愛で傷つきたくはない。

 恋なんて二度としないと決めたのに、ジェームズといると忘れてしまいそうになる。

 あっという間に自宅の前に着くと、運転手じゃなくてジェームズがリムジンのドアを開けてくれた。

 上品な印象のスーツとコート。ブラウンと黒でコーディネイトしたわたしの服をすっぽりと包むように、ジェームズはジャケットをかけてくれる。

「ジェームズ、あなたが冷えてしまうわ」

「いや、熱いくらいだから」

 基礎体温が高いのね。わたしの腰に手を添えて歩くジェームズから伝わるものは多い。

 優しくて、温かなジェームズ。

 アパートメントの玄関の前で、不意に抱き寄せられキスを交わした。

 濃厚な舌はわたしの唇を開き、わたしの身体を熱く攻め立てる。

「アベェリー、君が欲しい」

「ジェームズ、わたしは・・・」

「まだ、早いと言いたいのか?」

 再び、ジェームズの唇がわたしの唇に重なる。

 甘く、激しいキスは全てがどうなってもいいとわたしの体は感じている。だけど、どんな愛の言葉を聞けば、愛の行為を交わせば心は納得するの?

「・・・今夜はこれくらいにしてくれる?」

「アベェリー」

 宥められるかのようにそっと抱き寄せられると泣きだしそうになる。

 どんな数字にも勝てると仕事では強気なのに、恋愛はどうしたらいいのか、分からなくなるなんて。

「アベェリー、2週間後の土曜日に会おう。それまでは・・・そうだな。この夜空を観るときは僕を思い出してくれるかい」

「ええ、もちろんよ」

 夜空どころか、ジェームズのことを想わない時なんて一秒もない。去りゆく後ろ姿を見つめながら、自分の臆病さが嫌になった。


霜月桂先生×麻生歩先生 トーク&サイン会へ行ってきました。

ロマンス小説作家として

 霜月桂先生、麻生歩先生のサイン会へ行ってきました。

 わたしは日々、感謝の気持ちをもつことを自身で心がけています。
 そして、サイン会へ参加して、色々なことを感じました。

 まず、わたしがロマンス小説を書くにあたって、
漫画原作として多数の作品を採用して頂いている宙出版様へ感謝しました。
自小説を選んで頂き、コミカライズをして頂き有難い限りです。

 ありがとうございます。

 そして、ハーレクイン社様に感謝しました。
わたしが書くきっかけはペニー・ジョーダン様の作品を読んだことです。
以来、どっぷりとロマンス小説の世界にハマりました。

 1日4冊を4~5年間読み、その後、書き始めました。
ハッピーエンドだと途中の過程が不穏でも安心して読めます。
感受性が過多なため、
うっかり間違ってアン・ハッピーエンドを読むと大変です。
実際、ピーターラビットの作者の自伝映画がアン・ハッピーエンドっぽく、
泣きながら、ネットで事実だろうか?不幸だった?と2日くらい確認しました。

 幼少の時から何故かそんな感性で、「くまのぷーさん」でさえ、
主人公の男の子に対して、
「この子にお父さんとお母さんはいないの?」と聞いて泣いていたそうで、
母親に心配されていました。

 ハーレクイン小説を読むと、男女の性愛だけが主でなく、
愛し合う過程などが深く、愛は万国共通だと認識します。

 愛に国境はなく、どの国の愛も根幹は同じです。
 
 もし、わたしが愛を表現するならばとい気持ちで書いています。

 霜月桂先生は多数の物語を翻訳され、それを読んで今のわたしがあること、
 麻生歩先生はわたしの「CEOにプロポーズ」を描いて頂いて、感謝しています。
 
 わたしの過程には様々な人が居て、そして今があります。

 最も大切なのは読者様がわたしの小説を読んでくださることです。

 いつもありがとうございます。

 ものすごく緊張して、麻生歩先生と記念撮影出来ませんでした。
(昔の人みたいに写真緊張しちゃうのです)
 自身が描かれるヒロインさながらの美しさでした。
 あのイケメンを生む手を握手出来ただけで幸せです。

 皆さん、女性はどこかにピンクを一つは身につけて!とのことです。
 
 ピンクは無数に色合いが有って、それを楽しむのが女性ですね。
 
 そういうことメモしました。

 サイン本は並んで間に合うのも数作ですがあったので、
漫画家様のファンの方はイベント抽選外れても並んで買えます!

 わたし、がっついて行くとタマラちゃんが取り込んだ!と思われたら
後の活動に響く?ので控えめに買ってきました。

 参加された方が、自ロマンス小説読んでるかもだし、
ロマンス小説ファンは大切なのです。

 これからもロマンス小説を書いて、応援もしますので宜しくお願い致します。 

 2014年9月28日 タマラ・タバサ

当たりましたっ!ハーレクイン社のトーク&サイン会!!!

ロマンス小説作家として

数年前にハーレクインのお茶会が当たったから
今回は当たらないと思っていたけれど、
運良く
大阪会場の
ハーレクイン・ロマンス創刊35周年記念
霜月桂先生×麻生歩先生 トーク&サイン会の参加権が・・・、
ああどうしよう、そんなこと想定していなかったから
ダイエットしてないよう←いや、想定できても間に合わないであろう。

皆、きっとヒロインのように美しいのであろう、
前回のお茶会の時も皆美しかった。

あ、いや、待てよ・・・
タマラ作者だから取材狙いでしょう。
うん、そうだよっ!
太っていようと関係ないやんっ!
皆の妄想聴かせてね!というのが目的やん。
という思い込みをまずしてみる。

あとはIAMタマラ・タバサですっ!という体で行くか
美しいファンに紛れるか・・・。

でも、多分、先方(ハーレクインの社員様ですね)
タマラ、お茶会行った時に自己紹介したから
うっすらとは知っているかも。

いや、入場時の名簿でバレる。
タマラの本名、特徴ありすぎる。
前回も入るのにひと説明必要だった。

うーん、
あと、色々対策練らんと、皆様あれですよ、
12:30~13:30にサイン入り、既刊コミック本30名30作が販売されるらしい。
どの漫画家さんのサインなのだろう。

前回はお茶会で尾方琳先生のサイン本を購入して、
今回は麻生歩先生のサインは購入したら頂けるので
麻生歩先生のサイン本は何冊でも欲しい!!!
ああ、でも一人1冊・・・あのイケメン!
本音最低、10冊は欲しいよね。

こーいうこと言ってて
「CEOにプロポーズ」がコミカライズしたら
妄想拡大しますね。

いや、すでにタマラ、最近、麻生歩先生の
「氷のシークに囚われて」の続編を妄想し、
2次小説は当然駄目なので、
脳内で120P完結させたのですっ!
永遠の秘密です。
イケメンシークは美味しかった。


描いて頂いた先生のサインは欲しいと思っています。

やはり、描いて頂くと”ありがとうございます”という感謝の気持ちになるので、
あったら嬉しい。

うん、ここどーしよう。
皆、何時から並ぶのかなあ?
並ぶ時間が分からない。

でも、ここに夏よしみ先生のサイン本あったら欲しいよね。
あるのかな?
あれだけ美麗なシーク描いて貰ったら、
サイン欲しいって思っても何ら不自然じゃないよね。

熱狂的なファンの方が朝一から並んでいるんですよ。

少しも30名の漫画家さん30名サインが買える気がしない。
いつ、どの要領で並べば???
どうしよう。

「あの、タマラのサイン本と交換してくれない?
2冊あるのっ!」

えっ、駄目ですって!
いかん、計画が妄想となって流れて行くよ~~~!!!

どうしよ~!
とりあえず、タマラも2作コミカライズされてるので、
宜しく願いしますっ!

夏よしみ先生と、夏海弘子先生に描いて頂いています。
と、とりあえず、混乱してきたので、宣伝しておきます。



サン・テロス公国物語 海運王の花嫁・海運王の禁忌 発売します。

タマラのロマンス小説コミカライズについて

 宙出版様より、自ブログ作品のサン・テロス公国物語 海運王の花嫁・海運王の禁忌が、
夏海弘子先生の作画で発売されます。

サン・テロス公国物語海運王の花嫁/海運王の禁忌 (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)サン・テロス公国物語海運王の花嫁/海運王の禁忌 (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)
(2014/08/01)
タマラ・タバサ

商品詳細を見る


 夏海弘子先生の絵は私のイメージでは王道の少女漫画の可愛い絵で、懐かしく優しい感じです。
 別冊ハーモニィ発売の海運王の禁忌、コミカライズに合わせて、
このブログでスピンオフの海運王の娘を公開しましたが、
驚くべきことに、マリアの姉、クレオパトラとアフロディテの私のイメージが絵とぴったり合っていました。

 んんん!私の杜撰な?描写の文章からここまで正確なものを!!!

 嬉しい驚きでした!!!

 私の作品はその都度、色んな漫画家様に描いて頂いているのですが、
このサン・テロス公国物語は夏海弘子先生に決まっているのです。

 縁あって描いて頂いて感謝しています。

 ありがとうございます。

 2か月連続コミックス発売です!

 購入して頂いたファンの方、ありがとうございます。
 
 宙出版様の裏表紙の美しい解説文も素敵でした。

 全ての人に感謝です。 


  

「フォーマルハウトの告白」7月1日発売です。

タマラのロマンス小説コミカライズについて

フォーマルハウトの告白 (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)フォーマルハウトの告白 (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)
(2014/07/01)
タマラ・タバサ

商品詳細を見る


 読者様のリクエストに応じて書いた「フォーマルハウトの告白」が、
夏よしみ先生に描いて頂き、コミックスになるなんて、
「ムアト君がひねくれてるよ~~」と独り言をつぶやきながら書いていた頃には
想像出来ませんでした。

 ムアト君の好みの女性を考察するところからスタートしました。

 幼少期に愛されなかったムアト君は、義理の母、ファーティマーと出会い変化します。

 素直じゃないしプライドが高いから、甘えるのはファーティマーの前だけでした。

 ライラと出会ったときに、わたしの前で泣いていいと告げられます。

 それは「フォーマルハウトの告白」

 わたしの前で泣いてもいい、

 例え弱みのようなものを見せても、
在りのままのどんなあなたでも受け入れますという白い星の合図。
 
 作中に絶え間なく流れる美しいカマンチェの音色、
艶めかしい夏よしみ先生の絵は異国情緒に溢れ絵巻物のように、
その指先の一本までも美しく、心を表現しています。

 アラビアの架空の国、デネボラ国へ旅したような気持ちです。

 2014年15周年のハーモニィ巻頭カラー作品の「フォーマルハウトの告白」の世界観。

 タマラ・タバサにとっては初コミックスです。

 宜しくお願いします。

 *次月にはサン・テロス公国物語「海運王の花嫁」が発売されます。
  また、次月も宜しくお願いします。
     

揺るぎない太陽~2014年ハーモニィロマンス下半期応募作品~

タマラのロマンス小説コミカライズについて

「世界に住むアリスたちへ」

 アリス・・・愛にさ迷う全ての女性へのメッセージとして
「揺るぎない太陽」を書きました。

 この作品がこの度、2014年下半期ハーモニィロマンス大賞応募原作として選ばれました。

 アリスはどこにでも居る、心優しい女性です。
 しかし、優しさゆえに男性に心を傷つけられ自分に自信が持てません。

 ヒューと出会い、愛される軌跡を書いています。

 このようにいつも優しい女性が素敵な男性に見染められハッピーエンドになる世界を望んでます。
 現実は色々あるかと思いますが、明るく乗り切りましょう!

 漫画にすると難しいのは、原作では遅めにヒューが登場することです。
 ヒーローは、早くな登場するのかな?と感じます。
 一方で、”アリスとヒューのベンチ”という分かりやすいポイントも。

(*タマラの根拠のない主観です)

 原作の中でどこを取りこんで、どこを切り取り改編するかは個人のセンスによります。 

 「一人でも多くの応募をお待ちしています!」と宙出版社様から。

 前回、下半期の「私の愛するあの人」では、七夜ユズル先生が大賞を受賞しました。
 凄かったです。
 えええっ!と驚きました。
 ドラマティックに再構成され、ヒロインの表情は言葉なしで苦悩を表現されていました。
 読後の感想はもちろん、他のタマラ作品も描いて欲しいっ!です。

(今まで描いて頂いた先生皆そうです。一回描いて頂くと他の作品も読んでみたい!と
思います。七夜ユズル先生の臨場感!!!
原作+作画が、1+1という足し算ではなく掛け算でした!!!
漫画家志望の方、ぜひ、応募を宜しくお願いします。
タマラは掛け算が読みたいです!!!) 

ということで、
ハーモニィに掲載されている応募要項を読んで、
宙出版様への応募をお待ちしています。

ハーモニィ Romance (ロマンス) 2014年 08月号 [雑誌]ハーモニィ Romance (ロマンス) 2014年 08月号 [雑誌]
(2014/06/21)
不明

商品詳細を見る


 夏よしみ先生の表紙が目印です。

 →揺るぎない太陽
   ここから読んでください。

アラビアンナイトに煌めいて 23

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

  ***

「ラシード、そんなことをしていいの?」

朝、目覚めるとラシードが今後の予定を話してくれたが、アラベラは急な展開に驚いた。

「来週、結婚式を挙げる前に婚前旅行。新婚旅行は一か月の予定に不満でもあるのか?」

「公務はどうするの?以前も私と過ごすために休んでしまって。プリンセスというより、悪女だと国民の方に思われたら困るわ」

「ここ1カ月で僕はかなり痩せてしまったからね。療養ということで構わないはずだよ。そうだ、公務といえばロフサーネとマイスールの件だが」

「二人を処罰するつもり?」

「どうして僕達のキューピッドが罰せられる?」

「そうね。むしろ褒美が必要だわ」

「ああ、二人に結婚でも命じようか」

「余計なことをしてはだめよ。自然に任せましょう」

「僕達も自然に結ばれたから・・・」

「そういうことね」

「全く、君には敵わないよ。僕の小さな君主さん」

そういう言い方をするのね、咎めるようにラシードの唇にアラベラが唇を重ねると会話は終わりキスが始まった。

数年後、二人の子供が三人産まれ、アラベラはラシードの仕事を補佐して生きていく。

アラビアンナイトのような煌めく夜から、睦ましい二人はお互いを愛し、甘く幸せな生涯を過ごし、アル・ファールド国も発展した。



             ***END***

アラビアンナイトに煌めいて 22

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

「アラベラ!本当にアラベラなのか?」

「ええ、そうよ!」

「ああ、アラベラ」

わたしをお姫様のように抱きあげたラシード。シャリーヤホテルで初めて会った時のように、しっかりと抱きしめられると、そのまま広間を抜けて回廊を歩き、プライベートルームのような場所へ連れて来られた。

中庭を臨むこの部屋はラシードの離宮の個室。広い海のような四柱式のベッドの淵にそっと座らされると、ラシードは前かがみになり、わたしをぎゅっと抱きしめた。

「夢みたいだ。こんなことをしてはいけないのに」

「どうしてしてはいけないの?わたしが庶民だから駄目なの?」

「そうじゃない、アラベラ、右腕を見せてくれ」

縫った後が白く残っている右腕にうやうやしく唇を重ねた後、床に片膝を着いて、わたしの瞳を見上げながら両手でわたしの腕にかかる金色の髪を愛撫したラシード。瞳にはわたしを想う気持ちが表れていた。

「君を傷つけた自分が許せない。アラベラ、この国に居ては危険だ。愛する君にもしものことがあれば僕は生きていけない」

「もしものことなんて、すでに起こってしまっているわ」

「他にも傷があるのか?」

「・・・ええ」

わたしは心のある位置、自分の胸の谷間に両手を重ねた。愛する君とラシードは告白してくれた。わたしも自分の気持ちを素直に話したい。

「ラシード、あなたが側に居ないとわたしは生きていけない。あなたに会えない一か月で心が傷ついて死にそうなの」

 祈るような気持ちでラシードの瞳をみつめた。

「愛するあなたに会えない孤独な百年と、あなたと一緒に居る一日なら、わたしはどちらを選ぶと思う?」

「僕をそれほどまでに愛しているのか?」

「そうよ。あなたはわたしが側に居なくても平気なようだけど」

「平気なものか!何度君を迎えに行こうとして、思い留まったことか。第一、君と出会ってからは君のことしか考えていない」

「ようやく意見が一致したようね」

「ああ、君が憎まれ口を叩いている時でさえ愛しい」

 ラシードは微笑みながら、わたしの顔にキスを浴びせた。もう二度と離れない。唇が開き、絡み合いながら抱きしめ合った。

「アラベラ、結婚しよう」

「ええ、この国の孤独な王、シーク、ラシードと結婚します」

 右手の薬指からダイヤモンドの指輪を抜いてラシードに渡すと、左手の甲を出した。

 わたしの左手の甲に唇を当てたラシードが、わたしの左手の薬指にうやうやしく指輪をはめる。

 それが始まりの合図のように、お互いに服を脱いで生まれたままの姿になり愛し合う。

 突然、舞い降りた愛は形になり、新しい世界を作る。

 二人の世界が交わることは、なんて美しくて覚悟の居ることなのだろう。

アラベラの耳元でラシードの愛しているという囁きが幾重にも広がり満たされていく。

わたし達は結ばれ、絶頂を極めると抱きしめ合って眠りに就いた。

          

アラビアンナイトに煌めいて 21

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

 久しぶりのシャリーヤホテルは観光目的というより、エステサロンを調べて初の自費エステに挑戦した。アル・ファールド国独特の香料の匂いが心地よく肌に浸透する。

 夕刻になると、ホテルの前にモニールの用意したリムジンが到着するので、少しやせた身体にドレスを身に着けたわたしは髪を下ろしてホテルのロビーのソファーに座って待っている。

 ネックレスと指輪はロンドンの自宅の店より高価なもので、身に着けているだけで緊張が走るけれど、大きな賭けをするには必要なアイテムだ。

 この一週間は美容に、アラビア語にとすることが多かったが、ラシードに会いたい一心で頑張った。

 ニュースでは報道されなかったが、本当に病気なのかしら?

 いくら調べても最近のラシードの姿が公開されていることはなく心配した。

 シャリーヤホテルに着いたリムジンにはミスター・ナジムが居て、車はラシードと過ごした宮殿とは別の方向へ進む。そこは王族の所有する離宮でラシードの父、ファドルはラシードに譲位した後、モニールと共に暮らしていると説明された。

 離宮もアラビアの風情たっぷりで解放感に溢れていた。建物の合間に中庭があり、水路が設けられている。幾つもの祈りが込められたかのような古代からの装飾模様。広間に案内されるまでに多くの人とすれ違ったけれど、誰一人、知る人も居なくて不安な気持ちになった。

 シャンデリアの光が煌めく広間の奥にはモニールが居て、金色の髪の女性と話している。彼女が振り向くと鏡をみているかのように驚いた。

「本当にそっくりなのね!」

ロフサーネも招待されているなんて思いも寄らなかった。柔らかく微笑んだロフサーネが流麗な英語でわたしに話しかけてくる。

「ミス・マーロン、あの時は切羽詰まって申し訳なかったわ。わたしはラシードと結婚したくなくて、そっくりなあなたが身代わりになってくれると勘違いしてしまったの」

「構わないわ。好きな人が居たのでしょう」

 ピンクのドレスを着たロフサーネはわたしよりかなり可愛らしい印象がある。兄、ダーギルはロフサーネが英語を話せないと決めつけていたが、そうではない。きちんと学習しているようだ。指輪を渡した時は本当に切羽詰まって、訳が分からなくなっていたのだわ。

「ええ、マイスールが好きなの。公務が忙しいラシードは婚約者なのに、仲良くすることが難しくて悩んでいたら、悩みごとを聞いてくれて。親切で穏やかな優しい人なの」

きっと、穏やかなのはロフサーネの方だわ。いい人で芯は強そうだけれど、ロフサーネにシードと張り合う気の強さは感じられない。相性が合わなかったというのが真実のようだ。

 並んで話している時、目の端にラシードが映った。

 ラシード。

 頬がこけて、やつれたみたい。

 公務が忙しいのかしら?会話を中断するとロフサーネもラシードに気付き、怯えたような表情をしている。

 わたしから、声をかけた方がいい?

 みつめているだけで精一杯、その身体に触れたいのに我慢して手が震えている。

 振り向いて、わたしに触れて。

 そして。

 ラシードがわたしの方を向いた。正確にはモニールに誕生日のお祝いの言葉を述べる予定だったのだろう。だけど、わたしと瞳が重なった。

瞬間、猛スピードでわたしに迫ってきた。

もしかして怒っているの?

無断でアル・ファールド国へ来てはいけなかったのかしら?

困惑するわたしにラシードは問いかけた。

                           

アラビアンナイトに煌めいて 20

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

   ***

「ラシード。・・・ラシード!!!」

 叫びながら目覚めると、そこはアル・ファールド国ではなく、自国、イギリスのロンドンの自宅に居た。見慣れた家具が並ぶ中、意識は混乱する。

「ああ、アラベラ。大丈夫かい?」

「カルロ」

 どういうことなの?アル・ファールド国に居たことは夢だったの?カルロが心配そうにわたしの顔を覗き込んでいる。

 右腕がずきずきと痛み、包帯を巻かれていることに気付いた。

「ラシードは無事なの?」

「ああ、アラベラは2日も眠っていた。シーク・ラシード様が説明してくれたよ。国のクーデターに巻き込んで済まなかったと。国王なのに自ら僕に謝ってくれた」

「どこに居るの?ラシードは?」

「アル・ファールド国へ戻ったよ。医師は完治するまで通わせると話していた」

「・・・・・・そう」

 つまり、わたしはラシードに捨てられたの?
 
ベッドの横には旅行鞄と、見覚えのある積み上げられた箱が置いてあった。二人でダンスしたときのドレスが入っているのだわ。それはアル・ファールド国を想わせるし、別れのプレゼントのようで見たくもない。

「アラベラ、その、ラシードとの間に何かあったんだね。ラシードは君を愛しているように思えたし」

「どうして、そんなことが分かるの?」

「シーク、自ら抱きかかえてこのベッドルームに運んでいたし、男同士、そういうことは理解出来るものだ」

「では、なぜ、わたしはここに居るの?」

「危ない目に遭ったし、彼はシークだ。身分も違う」

ダーギルが急襲した時、逃げることは出来なかった。何度、同じ場面に遭遇してもラシードを守るに違いない。愛しているし、尊敬もしている。アル・ファールド国の国民を大切にするシークが命を落とすなんてことはあってはならない。

身分についてはカルロの言うとおり。

指輪が渡されなければ出会うことも話すこともなかっただろう。

医師は毎日往診してくれたが、すでに傷は縫ってあり、完璧な処置がなされていた。

ベッドで眠っていると、絶えずラシードのことを思い出し、枕が涙で濡れる。

右腕は傷むが、店に出て自分の出来ることをした。

あんなに楽しかった店の仕事が、こんなにも色あせたように感じるなんて思いも寄らなかった。

カルロに心配されてはいけないと平気な振りをすることも出来ず、レジの前に座り、黙々と伝票整理と発注作業をする。

あたりまえの日常なのに、迷子になったように戸惑っている。

そんな日々が3週間過ぎた頃に店の扉が開き、モニールと側近のミスター・ナジムが来店した。

アル・ファールド国を想わせるものには触れたくもない。

閉じたはずの傷口が広がるような痛みが心を打った。

この方たちはお客様よ、アラベラ、頭の隅に残ったプロの根性が囁きかける。

顔の筋肉を集め、どうにか笑顔を作った。

「こんにちは、ミス・マーロン。アラベラと呼んでもいいかしら?傷の具合はどう?あまり元気がないようね」

「いいえ、元気です」

「そうなの。少なくとも、ラシードよりは元気そうね」

「ラシードは病気なのですか?」

「調子が悪いというか、衰弱しているというか。マイスールの処分に悩んでいるの」

「マイスールがどうして?もしかしてわたしの怪我の責任を取らされているのでは?」

「いいえ、ロフサーネのことだけれど、マイスールのことが好きで、独り暮らしの家に押しかけたのよ。マイスールはそれをラシードに報告しなかった」

「他に好きな人が居たからラシードと結婚したくなかったのですね」

「ええ、それにラシードはそっけなくて機械みたいにてきぱきと仕事をこなす、無機質な印象で、相性が合わなかったみたいね。いつもそう話していたわ」

「ラシードが無機質ですって!あの人、わたしのことを思い切り笑うのよ!それにいつも口論になりますし」

好奇心の詰まった表情でモニールはわたしを観察すると、黒革のポーチから封筒を出した。

「来週のわたしの誕生日会へいらっしゃい。ラシードも呼んだから直接、確かめるといいわ」

 そっとわたしに封筒を手渡したモニールは必ず来るようにと告げて去って行った。

 封筒を握りしめたわたしは迷った。

あれから一か月が経っている。

何度もラシードに抱かれたのに、子供を宿していなかったことにも傷ついた。

 誕生日会へ着て行くドレスもベッドの横に置いてある箱の中に入っている一着しか持っていない。

 戻って来て以来、一度も触っていない積み上げられた箱を、上から順番にそっと開けたときに涙がこぼれた。

 駄目って言ったじゃない、ラシード!

 アル・ファールド国でドレスを着た時に、首に付けたネックレスが入っていたことも問題だから怒らないといけない。

 それだけではない、アラビア模様の施してある小さな宝石箱を開くと、あの時、あんなに注意したダイヤモンドの指輪が入っていた。

 リムジンの中で、愛している人にこの指輪を渡すように注意したけれど、また、わたしが指輪を持っていることになる。

 もしかして本当にわたしはラシードに愛されているの?

  直接、会って確かめてみよう。

 泣いてなんかいられない、わたし、アラベラ・マーロンは人生最大の賭けに出るのよ!

 右手の薬指にダイヤモンドの指輪を身につけると、左手の薬指にはめ直してくれるラシードの姿を想像した。

アラビアンナイトに煌めいて 19

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

 ダーギル・フサームは憤怒の形相で、青の部屋の奥に居るわたしを汚いものを見るような視線を投げた後、ラシードに向かってジャンビーヤを鞘から抜いて構えた。わたしに聞かすかのように英語で話している。

「ロフサーネが戻ってきた。何度聞いても君の所へは行かなかったと答えている。失踪中の居場所は教えてくれなかったが、君が婚約破棄をしてロフサーネの偽物を愛人にしているとの情報が入った。どれだけフサーム家を侮辱するつもりだ?」

「彼女は愛人ではないし、婚約破棄は妥当だ」

「用意したのだろう、ロフサーネの偽物を。その女を抱いて俺の妹は抱けないなんて、どういう神経をしている?」

「ロフサーネは僕を嫌っている」

「好き、嫌いが関係あるのか?この度の婚姻に関しては男の子供を産んで離婚してくれても構わない、持参金さえ手に入ればと考えていた。だが、ほんの百年前までは我がフサーム家の方が族長として頂点に居た。俺が君を倒して、この国の富と権力を掌握する時期は屈辱を受けた今だ」

「ダーギル・フサーム、君と王権を巡って抗争すればこの国は内戦に突入する。歴史を百年逆行させてはならない」

「百年前と違い、今は富がある」

「国家の富は個人の享楽や権力の誇示のために使うものではない、今を懸命に生きている人やまだ見ぬ子孫の安寧のために使うものだ」

「そんなことで国は治められないだろう。絶対的な主権、主張、誇示に決まっている!」

これ以上の問答無用とばかりにダーギルはラシードをめがけてジャンビーヤで攻撃し、ラシードは自身のジャンビーヤで応戦した。お互いの右手に持ったジャンビーヤの刃が何度も重なり、刃のこすれる音がする。息を切らしながら戦う二人、愛するラシードから目が離せなかった。ラシードの方が優勢のように思えるが、わたしの思い過ごしかも知れない。

 ジャンビーヤの刃が拮抗し、刃で押し合っている。互いに一歩も譲らずこう着状態が続く。ダーギルが左手ですばやく、トーブの胸元のボタンの隙間から光るものを出した。

 小型のナイフを隠し持っていたとアラベラが察したと同時に、身体が自然とダーギルとラシードの間に滑り込んだ。

「ラシード、危ない!」

 ラシードの身体を庇うように、アラベラはラシードの胸元に飛び込み、勢いよく抱きしめた。ダーギルの小型ナイフはアラベラの右腕の外側を切り、ラシードとアラベラは転倒し、床に座り込んだ。

 振り返ると、ラシードが転倒と同時に右手のジャンビーヤを投げ、ダーギルの左の胸に刺さっていることで確認出来た。

「アラベラ、アラベラ!」

 ラシードがしきりにわたしの名前を呼んでいる。マイスールの声がして、数名のSPがダーギルの身体を拘束するために青の部屋へ入ってくる、ラシードは無事だと感じた時にアラベラの意識は切れた。

アラビアンナイトに煌めいて 18

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

   ***

 こんなことを続けていいのだろうか?

 わたしを抱きしめて離さないラシードの気持ちは嬉しいけれど、予定では明日、帰国することになっている。

 この青い部屋で何度もラシードに抱かれていると愛されていると勘違いしてくる。事実、彼のわたしを見つめる眼差しは熱く、少なくとも誰でもいいという訳ではなさそうだ。

 飽きるまでなのかしら?

一緒に食事をしたり、入浴したりと片時も離れず寄り添い、こんな日々が永遠に続けばいいけれど、カルロにどう説明すればいい?

数日間、シークの愛人として過ごしていましたと説明出来る?

夜になり、ぎゅっと抱きしめられると、もし、愛されているのならラシードの側に居てもいいと感じた。

ここはハーレムのようで今の状態に戸惑う。ハーレムといえば、そこに住む女性の淫らで官能的な衣装を妄想するけれど、裸で過ごしましたというのが正解なのかしら?
 
 また、ラシードが情熱の籠ったキスを浴びせられると幸せな気持ちになり、物語のように千夜、いいえ、もっとこの日々を続けたくなる。

 わたしの愛するラシード。

 吐息しか聞こえない熱い空間に突然、走るような荒々しい足音が鳴り響いた。ラシードはさっと立ち上がり、枕元のシーツの合間にある短剣のジャンビーヤを取り出し、衣装ケースの中からアバーヤをアラベラに投げた。

「すぐにこれを着て、人目の付かないところに隠れてくれ」

白いトーブ、頭に白いゴドラを瞬時に身につけたラシードは足音のする方向へ目を向けた。

 危険なことが起こったのだわ。甘い夜を過ごしたこのベッドにも、ジャンビーヤが隠されていたなんて!
 
 慌ててアバーヤを身につけると、主席SPのマイスールがラシードの元へ駆け寄った。

「ダーギル・フサームが訪問を装い、一族を連れて宮殿を急襲しました。今、取り押さえているところです」

 そう告げると、マイスールは足音のする方向へ戻って行った。

「アラベラ、いいか?バスルームの横の壁の青いタイルの花模様の中に一つだけ赤いタイルがある。そこを押すと扉が開き宮殿の奥へ逃げられる。君は逃げるんだ」

「いやよ!あなたを置いて逃げることなんて出来ない」

「逃げると約束してくれ」

 約束するように瞳が重なったのも、つかの間、ラシードは青い部屋を抜けて走り去ろうとしている。青い部屋の扉を開けようとした時、扉の方が開き、ダーギル・フサームがジャンビーヤを持って立っていた。

アラビアンナイトに煌めいて 17

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

***


目覚めると背中は温かいものに包まれ、わたしの胸を愛撫している、がっしりとした両手があった。昨夜はラシードと何度も絡み合い、お互いの身体中にキスを浴びせた。

 朝の光が窓辺に差し込み緩やかな風が流れている。

 身体の向きを変えてラシードを抱きしめると、唇にキスをした。

「おはよう、ラシード」

「アラベラ、身体は痛くない?」

 鈍い痛みをお腹に感じたが、抱かれた証拠のように感じて大丈夫だと答えた。

「一緒に風呂に入ろう。今日は公務を休みにしたよ」

「休んでいいの?」

「一夜で僕が満足すると思ったのなら間違いだ」

 わたしの髪の毛を指で絡め取り、抱きしめられると幸せとともに、いつまでこんなことが続くのか不安になった。

 キスを交わすと雲のように浮かんだ不安が拡散される。

 今日だけはわたしのラシードでいて欲しい。

 抱きあげられてバスタブへ向かうと、このまま時が止ればいいのにと願った。

***
 夜、青い光が金の光と共に静かにまたたいている。

 すやすやと眠るアラベラをラシードはそっと抱き寄せた。何度抱いても抱き足りないのはどうしてだろう?

 しかも青い部屋で抱いている。
 
 宮殿の青い部屋は第一夫人、正妻のみがこの部屋に住むことが許される部屋で、本来ならばこういう使い方はしない。

 そう、アラベラと一緒に居ると僕の中の何かが狂い、かき乱される。

 例えば、あすの公務も休みにしようとか。

金色の髪が頬に、つんと尖った胸元に流れ、セクシーな印象を強めている。反抗的な言葉を放つ唇が愛らしい。

愛。僕の中に存在するのか分からないもの。理性、知性、権威、それらのものしか僕には求められていない。

母親も愛というものに無縁だった。ずっと母親に似ている性質を持っていると自分のことを判断していた。父親はモニールと出会ってからは他の女性には目を向けない。

金と権力、容姿に惹かれる美女達との関係を割り切って楽しんでいたが、アラベラはそういう女性ではない。

美女というより愛らしい雰囲気で、一生懸命だ。

アラベラは初めてだったが、なまめかしく、誰よりも僕を満たしてくれる。あどけないキスや恥じらいを示すしぐさ、そうかと思うと決意したかのように大胆で奔放にもなる。

セックスの合間に交わされる会話もそう。今まで笑ったことなどあまりないのに、アラベラと居ると声を出して笑ってしまった。

「・・・ラシード」

寝言で僕を呼んで抱きしめようとしている姿が愛しい。アラベラに対する感情をどう扱っていいのか分からない。

欲望のまま抱いて、まだ抱き足りない。

 何度抱けば満たされるのだろう。

 アラベラの何が僕を夢中にさせるのだろうか?

 頬にキスをするとアラベラは目覚めて僕は提案した。

「おはよう、アラベラ。ここ数年、休暇を取っていないから今日も公務を休みにするよ」

「いいの?あなたはシークなのよ。気持ちは嬉しいけれど心配だわ」

「出掛けたいところはある?どこへでも連れていくよ」

「あなたの側に居るのなら、どこでも構わないわ」

 紅潮した頬を眺めると、公務に専念出来そうにないと諦めた。女性が理由で公務を休んだことなど今までなかったのに、休む旨をスマートフォンで伝えると、アラベラを抱きしめ、その柔らかな胸を愛撫した。

 

アラビアンナイトに煌めいて 16

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

 砂漠の合間にあるサリーム家の宮殿は数本の尖塔にドーム型の青い屋根、前庭には緑が豊かでヤシの木が芝生の間に並んでいる。アラベスク模様の彫刻が施された壁、天井、は荘厳で清冽な印象だ。

 夜の闇を抜けて、ラシードと共に宮殿へ着くと玄関のアーチ型の門はするりと開いた。

「ラシード様、おかえりなさいませ」

 召使い達は集まり、馬を馬小屋へ連れて行く者や、指令を待つ者達がラシードの周囲を取り囲んでいる。

「アラベラ、僕は先に仕事を済ませるから、青の部屋で待っていて欲しい」

 そう告げると、ラシードは召使い達に指令を出した。

「アラベラを青の部屋へ案内するように」

 はっとした表情の召使い達がわたしに視線を集めた。

「どういうこと?」

「青の部屋が珍しいのだろう。僕は行くよ」

 どういう意味だろう?緊迫した空気が流れたのは確かだ。

理由がわからぬまま、数名の女性召使い達に囲まれて、宮殿の回廊の中庭の側を通り、奥まった部屋に通されるとその美しさに感嘆した。

広々とした空間、青いタイルの装飾は金色のアラビア文字、青の花模様と調和され、四柱式のベッドも青と金の色で整えられている。

安らぎの青の空間に間接照明の黄色い光が仄かに光っている。

「入浴をお手伝いさせて頂いて宜しいですか?」

「いいえ、そういうことに慣れていませんので構いません」

 砂漠の中のオアシスのような円形のバスタブは家族で入れそうな程大きく、ジャスミンの蜜の甘い匂いが立ち込めている。シャワーで身体を洗い、バスタブに入ると、ここはハーレムなのかと疑った。

毎朝、きっちりとした姿で現れるラシードがわたしと出会ってから宮殿へ戻ったようには感じなかった。

いつも彼はわたしを熱い視線で見つめ、そして・・・。

バスタブから出て、バスタオルで身体を拭くとバスローブを胸元まできっちりと身に付けた。化粧水、ボディーローションで肌に潤いを与えると、広い室内のどこで待てばいいのか分からず、ベッドの前で立ち止まった。

アラビアンナイトのような熱い夜。

こんなにもラシードに惹かれているなんて。

回廊から足音が聞こえ、ラシードの顔を見たら不安な気持ちは散り、その整った顔に釘付けになった。バスローブ姿のラシードはシャワーを浴びて、濡れた髪とムスクの匂いがする。

「ロフサーネとの婚約を解消する書簡をフサーム家へ送り、マスコミに発表する手配も済ませてきた。ロフサーネは僕との結婚が嫌で家を飛び出し、君に婚約指輪を押しつけたことから、ノイローゼになっていたことは間違いない。結婚は無理だ」

「ロフサーネのことを好きだったの?」

「妹にも満たない感情だったというのが本音だ。家同士の結婚はロフサーネには耐えられない。努力しても、実母のように子供を産んで立ち去ることしか出来ないだろう。ましてや・・・」

「・・・続けて」

「アラベラ、君に対する気持ちと同じ気持ちはロフサーネには持てない。君はあまりにもロフサーネと違う。君を一目見た時から抱きたいと感じていた」

「ラシード」

「君をみつめると僕は君のこと以外は考えられなくなる。僕の気持ちに応えるかどうか決めてくれ」

切迫した声で問いかけるラシード。時間が静止したかのように見つめあう。

「いいえと答えたら諦めるの?」

「アラベラ、諦めないよ」

 首を少しだけ右に傾ける癖のある微笑みの彼、愛しくて拒むことなんて出来ない。

「わたしの答えは、こうよ」

 欲望は青い夜に包まれて、激しい熱を帯びている。磁石がひっつくように身体はラシードを求めて、わたしはバスローブの紐をするりと解いた。堅く巻いたバスローブを脱いで胸元を覆うと大胆な自分の行為が恥ずかしくなってきた。

 わたしと同時にバスローブを脱ぎ捨てたラシードが、わたしを導く。

 「在りのままの君が見たい」

 手から放たれたバスローブが床に落ちるとともに、ラシードがわたしを抱きしめて囁いた。

「とてもきれいだ」

 胸と胸、腰と腰が密着すると、ラシードの欲望の証がお腹に触れた。顎を右手で持ちあげられ、彼の左手はわたしのお尻を愛撫している。唇はわたしの唇を開き、舌と舌は絡み、交わっている。全ての細胞が一つ残らず彼に触れたくて彼の背中を抱きしめた。

 抱き合ったままベッドに倒れるとラシードの唇が頬へ、首筋へ降りてくる。胸の頂を吸われると身体は弓なりに反り、喘いだ。本能が身体の痛みを予期してシーツをぎゅっと掴む。

 欲望の趣くままラシードはわたしの身体に舌を這わせ、わたしの脚を開くと太ももの内側の敏感な箇所を舐め、指でじらすかのように愛撫を続けている。

 身体は波のように揺れ、未知な快感と鈍い痛みがわたしに訪れる。

 頭の中ではじけ飛ぶ感覚が突き刺したとき、喘ぐと共に達した。

「ラシード!」

 初めての体験を刻みつけるかのように、ラシードをぎゅっと抱きしめた。

「あなたはまだ・・・」

そっと、ラシードの興奮した高ぶりに触れる。

「今夜はこれからだ」

ラシードがわたしの指に指を絡ませると、わたしの身体の芯にゆっくりと自分の身体を沈めた。彼とわたしは一つになっている。解放された歓びに満たされると、アラベラは女性の持つ男性を魅了する力を誇らしく感じラシードと同じリズムを奏でた。

アラビアンナイトに煌めいて 15

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

「ダーギル、何の用事かな?」

「シーク・ラシード、丁寧に英語で挨拶か?ロフサーネに聞かれたくない話だから英語でも構わないが。ロフサーネは毎夜、君とは結婚したくないと嘆いていた。だが、家族が行方不明になったと探せば、何故か君の元に居る。しかも、今、婚姻前の娘にふさわしくないことをしているようだ」

「それで?」

「持参金の提示額だが、あれでは足りない」

「もし、ロフサーネと結婚するのなら考えてみよう」

「結婚前に同棲している事実はフサーム家に対する侮辱に等しいだろう」

「それはない、僕の腕の中にいるのはロフサーネではないのだから」

「下手な言い訳はよせ。結婚式までに持参金は倍の金額を提示する」

 悠然と去って行くダーギルにアラベラは恐怖を覚えた。込められた憎しみが伝わり、横領した過去があるのに、結婚式の持参金を増額するように持ちかけるなんて非常識だわ。ラシードから聞いた話だけでは判断出来ないが、ダーギルはシークのラシードに対して敬意を持っていないことが理解出来る。

「アラベラ、邪魔が入ってすまない」

「いいえ、元から警戒していた人物だもの。これくらいのことは覚悟していたわ」

「君への誤解は晴れた。そして、ここでは解決しない重要な問題が残っている。まずは君を宮殿へ連れて行きたい」

「宮殿?」

「ここは仕事の拠点地で宮殿は別の場所にある。行こう」

 中庭を抜けた回廊の端には馬小屋があった。大きくて丈夫な馬に二人で乗ると、前に乗ったわたしを抱くように、緩やかなスピードで砂漠を走った。

「寒くないか?」

「いいえ、熱いくらいよ」

 胸の鼓動が伝わる。

 ラシードの胸に頭を預けると、彼に抱かれて、彼とひとつになりたいと感じた。アル・ファールド国は孤独という意味があるが、頂点に立つシーク自身が孤独である。シークという立場は常に堂々とした振る舞いを要求されている。

 傲慢で優しい彼は愛を与えられていない。

 ホテルのまばゆい光が遠のき、星の明かりが夜空にまたたいている。太古から輝く光は不変を告げるかのように砂漠にほのかな明かりを指している。

 月は銀色の鏡のように砂漠を照らし、星とのハーモニーを奏でているようだ。

 この愛に終わりがあることは知っている。

 だけど、わたしは何をためらっているのだろう。

 覚悟を決めると、心は晴れやかになり満たされた。

アラビアンナイトに煌めいて 14

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

「久しぶりですね。モニール」

「ラシード!ロフサーネと素敵なダンスね。どうして英語の挨拶なの?」

 はっとした表情のモニールはまじまじとアラベラを眺めた。

「もしかして、ミス・マーロンなの?わたし、昨日お忍びで催事場へ行ったけど、あなたが居なかったからてっきり出店は諦めたのかと思っていたわ。ラシード、どうしてミス・マーロンと一緒なの?」

「偶然です。モニール、アラベラの出店をロフサーネに話しましたか?」

「ええ、ミス・マーロンはわたしとロフサーネの間ではよく話題になっているわ。双子のように似ているもの」

「そういうことですか。僕はアラベラとダンスをする約束をしているので失礼します。行こう、アラベラ」

 丁寧な挨拶をしてモニールの元を去ろうとするラシードの左手はわたしの腰に密着している。さらりと流れるような会話には痛ましいものがあったとアラベラは感じた。

 母親に世話をされず、父親は権力を掌握しているシーク、物心ついたときから帝王学を学び、立派な次期シークになるように育てられている。わたしは両親とも企業のサラリーマンをして、学校の送り迎えは仕事の合間に母親がしていた。仕事の合間は祖父、カルロに預けられて店で育ったようなものだけれど、愛情には恵まれている。

 店を継がない両親に反対していたけれど、そんなレベルの話ではない。

 スローなテンポの音楽が流れる中、ラシードは他の女性とのダンスを断り、再びわたしとダンスをする。

 神妙な面持ちのラシード、今の出来事を整理しているのね。わたしが出店したことと、ロフサーネが指輪をわたしに渡したこと、二つの事実は関連していなかった。

 ミスター・ナジムはモニールの側近で、その名前は本名ではないのだろう。店の商品が気に入ったからと自国の催事に出店要請させることは、王族とはいえ堂々と出来るものではない。国営の私物化に値するし、モニール御用達の店と宣伝されるのもいかがなものかと感じる。

 何故、ロフサーネはわたしに指輪を渡したの?

 それらしい質問をラシードがしていたから、ラシードも同じ結論を導いているはず。

「アラベラ、今は僕に集中して。デート中だろう」

「これ以上ないほどあなたに集中しているわ」

 熱が伝わる。彼の匂い、引き締まった身体、素敵すぎてめまいがする。

「そろそろ休憩しない?」

「名案だ。ホテルの中庭へ行こう」

 エレベーターで中庭へ降りると噴水を中心に緑の芝が並んでいる。夜風は蒸し暑く、ゆるやかでスパイスの匂いを含んでいる。

正方形のオフホワイトの布で出来た屋根の下には四方にベンチがあり並んで座ると、満月の夜空の元、彼が頭の上で結い上げた髪を器用な手つきでほどいた。

「髪の毛をほどくのが好きなのね」

「束ねているよりセクシーだ」

「いつもそういう風に女性を口説いているの?」

「口説かなくても向こうから寄ってくる」

「自惚れているのね」

「自惚れてなんかいない」

 そっと顎を上に向けられ唇が重なった。唇から溶けそうになる甘いキスが、わたしに降り注ぎ、陶然として彼の唇を受け入れている。

 長いキスの合間に吐息が漏れると、彼はわたしを思い切り抱きしめた。

 愛はどうして突然、自然に、舞い降りるのだろう?

 キスが再び降りてくる、瞳を閉じると彼はわたしの身体を包むように抱いて、低い声で囁いた。

「誰かがこちらへ来る。あれはダーギル・フサームだ」

アラビアンナイトに煌めいて 13

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

 わたしはどうかしたのではないだろうか?

 自分の店のシルク製品でさえ、ひとつ、ひとつ吟味して買っていたのに。

 サテンの滑らかでエキゾチックなブルーのドレスは、金糸で刺繍が施されてなまめかしい雰囲気のドレスで、わたしの青い瞳をより濃く見せている。

 露出は控え目だが、鎖骨のデコルテラインが流れるようなⅤラインの合間に映え、身体のラインが滑らかに出る。手足の爪は赤く、髪の毛はきれいに巻かれて、頭の上に留められ、物憂げな印象のアイライン、まつ毛も上に、くるんと丸められている。

 口紅は鮮やかな赤。

 鏡に映った姿は、今までで一番美しい姿だった。

 断らなかったのは、ラシードに少しでもきれいと思われたかったから。

 こんな気持ちになったことはなかったのに、どこかが狂っている。

 高めのハイヒールは履き慣れてないので階段を降りてリビングで履いてみる。少し歩いて靴が足に馴染み始めた頃に、刺繍の施された王族の正装、白のゴドラを頭に、白いトーブ姿のラシードが現れた。

 うっとりと見惚れていると、わたしの手を取りエスコートしてくれた。

「アラビア語も分からないし、ダンスどころか歩くことさえ怪しいの」

「僕の腕に手を置いたら大丈夫」

「物事を簡単にするのね」

「ようやく、僕のシークの能力を褒めてくれたのかい?」

「そういうことにしておくわ」

 ラシードのたくましい左腕に右手を絡めると頭を彼の腕に預けた。アフターシェイブローションと彼の匂いがする。

 ずっとこうして彼に触れていたい。

「アラベラ、これを」

 タキシードの上衣のポケットの中から宝石箱を取り出した。ダイヤモンドのデザインのネックレスはファッション雑誌に掲載されている、憧れるけれど、一生触れることも、見ることも出来ないような豪華なもので、ダイヤモンドにサファイヤが散りばめられている宝石デザイナーの1点モノだ。

「身に付けたら緊張するわ」

「今夜の君はプリンセスだから」

 高級ジュエリーをレンタルしてくれたのかしら?

 シークのパートナーには必要なもの?

 そのネックレスを身につけるだけで緊張してしまうからと断る前に、彼がわたしの首にネックレスを着けた。首元に触れられ、彼を身近に感じると今夜だけは、彼のプリンセスになれる気がした。

 同、ホテル内の一角に設けられたダンスフロアとブュッフェ式の食事、至る所に花が大きな花瓶に活けられ、華やかなドレス姿に身を包んだ女性とエスコートする紳士が連れ添って歩いている。

 すれ違う人々に挨拶をされ、分からないアラビア語に笑顔のみの奇跡の対応をすると、部屋の奥には段の上に重厚なレッドカーペットの敷いてある玉座があった。

「まさか、あの席に座るつもり?」

「いつもはあの席に座るけどね。今夜は君とダンスをする約束をしただろう」

 そう返事しながらくすくすと笑っている。何がおかしいのかしら?本当は玉座に座らないものなの?

「わたしはからかわれているの?」

「そうだね。座らないよ、普段は。商談するのに座っていたら時間が勿体ない」

 ほっと胸を撫で下ろすと、ダンスフロアへ導かれた。

 滑らかな動きでリードされ、ダンス経験の少ないわたしでもなんとかなりそうだと安心したのも、つかの間、彼の広い胸元に抱かれているかのように身体と身体が密着していることに気付いた。

 足を踏んでも構わないと冗談まじりに話すので、思い切り彼をにらんだのは失敗だった。

熱の籠った熱い視線でわたしを見つめている。

 時が止まったかのように見つめ返し、心の中で囁いた。

 わたしはあなたを愛し始めている。

 こんな気持ちを持ってはいけないのかしら?

 シークではなく、一般の男性なら自分の気持ちを打ち明けてしまうだろう。

 音楽が途切れると、数曲一緒にダンスしたようで、周囲の人達が注目していることに気付かなかった。

 ふと、会場を見回すと見知った顔の女性が居て彼に話した。

「あの人!わたしの店にミスター・ナジムと来ていた女性だわ。どうしてここに?」

「モニールが?でも、あり得るか」

「教えて、どういう女性なの?」

「あの人は義母で、父、ファドルの第二夫人だ。第一夫人が僕の母のロヤー。母は海外へ行き自由に暮らしている。モニールは実際、僕には良くしてくれるよ。実母は僕が物心ついてすぐに帝王学を学ぶために家庭教師達が常時就いていることを知り、海外へ飛んだ」

「あなたの母代りなの?」

「そういうわけでもない。ただ、争いを避けるために、後継者は僕独りであるほうがいいと考え、子供は産んでいない。父の本当の意味での妻はモニールだ」

 何のためにモニールはアラベラをアル・ファールド国へ呼んだのか?

 ロフサーネに似ているので気に入ったことが理由かも知れない。

 ミスター・ナジムはモニールの側近のため、お忍びで買い物をするときに偽名を使っていて、催事の申請書も責任者を取り込んで極秘に頼んだはず。実質、父の愛しているのはモニールで、責任者も僕の部下の取り調べではどちらの味方につけばいいのか迷い、話せなかったとうことなのか。

 ラシードは疑問を分析した上で判断した。

 しかし、兼ねてからモニールが言及している後継者問題にも触れていることには、本人も気付いていない。

 アラベラの腰に手を添えたラシードは悠然とモニールの方へ歩いて行った。

アラビアンナイトに煌めいて 12

アラビアンナイトに煌めいて~高木裕里先生コミカライズ~

***

 朝、目覚めるとベッドの横にきれいな箱が積まれてあった。

何が起こったのだろう?

顔を洗って歯を磨き、朝食を食べにリビングルームへ行くと、一分の隙もないラシードが悠然とした様子で座っていた。

「おはよう」

挨拶すると、厚切りトーストにバターを塗って食べる。昨夜のことは口にして欲しくないので、黙々と朝食を食べていると、ほほ笑みながら話しかけられた。

「ベッドの横の箱は開けたかな?」

「いいえ、勝手に開けてはいないわ」

「今夜、夜会が開かれる。君はまたロフサーネの代理で出席して貰う予定だ。見知った者が居たら報告して欲しい」

「それって・・・」

「そう、君がここへ来た理由と今の状態が判明するかも知れない。気をつけて欲しいのはダーギル・フサーム。ロフサーネの兄だ」

「どうして?」

「ダーギルはフサーム家の族長として高級官僚に任命されたが、横領の罪で解任された。処刑を命じたが、彼の一族は勢力がある。結局周囲の者に止められて解任処分になっただけだが、僕を恨んでいる」

「それなのに妹と結婚するものなの?」

「昔からの婚約者、それに加えて勢力のある家同士の結婚、兄が犯罪者だからといって中止にはならない」

「そうなのね。だけど、ロフサーネの兄でしょう?わたしがロフサーネじゃないってことに気付きそうだけど」

「君がしゃべらなければいい。元々、ロフサーネは物静かな性質で、はい、くらいしか聞いたことがない」

「もしかして、わたしがおしゃべりだから即座に別人って判断していたの?」

「いや、そうじゃない」

 声を出して思い切り笑うなんて失礼ね。笑顔が嬉しくて、ほほ笑み返してしまう。そう思うと急に神妙な顔つきになった。

「横領したダーギルが悪いと思っているだろう。そうとは言い切れない。あいつは昔からお金にだらしがなく、フサーム家の族長の立場を利用して犯罪を重ねてきた。わざと大きなお金が動く部署に就かせて横領するのを待っていた」

「陥れたの?」

「ああ、案の定、巧妙な手を使っていたが、すぐに横領は見抜けた」

「ラシード、自分を責めたらだめよ。だって、横領しなければそのまま勤められたのでしょう?」

 黙り込んだラシード。人を試したことに罪悪感があるのね。あなたは一般人ではなく、国の全てを統率するシークだもの。

 こんな時には、どんな言葉をかけていいのか分からなくなる。

「今日の君は忙しい。ネイルにメイク、カット、エステ全て予約した。担当の者がもうすぐ来る」

 にっこりと微ほほ笑み、手を伸ばし、わたしの頭を励ますように撫でながら話している。

「わたしが夜会へ出たら喜んでくれる?」

「君とダンスをするのにいい口実が出来たと思わないか?」

「それは素敵な策謀と陰謀ね」

 きっと、わたしに気を使わせたくなくて、こういう言い方しか出来ないのだわ。

 守ってあげたくなるくらい、不器用な人。

「仕方ないわね。付き合うわ」

 鈴のような音が鳴り、振り返ればカートを持った女性達が居て、ラシードはその場を去った。

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